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W杯を予想する(連載第117号)

2009年12月12日

KOBE長田の鉄人プロジェクト  鉄人よ 日本代表に力をかしてくれ!
KOBE長田の鉄人プロジェクト 鉄人よ 日本代表に力をかしてくれ!

 W杯の抽選会からしばらくたった。サッカー雑誌やスポーツ紙も出揃った。私は各紙の中身には興味はない。ただ2002年当時を思い起こしている。あの年、プサンでの抽選会のあとすべてが動き出した。これまでの1年間とは全く違って、うそのように動き出した。今までのシミュレーションは役に立たなかった。無駄だった。対戦相手と対戦地が決定してから各国サッカー協会(NA)は本格的に動き出した。開催まで半年となった時点からが本領発揮だった。

 しかし、日本社会のシステムはそう簡単に動かなかった。・・・・と思い起こす。まあ、そんなことより南ア大会の日本代表の予想を始めよう。

 まず、最初にいくつかの決定事項を整理しよう。

以上が私か理解している諸条件ということだ。

 では、予想の1)として、多くのスポーツ紙や解説者がグループEの戦力を比較して日本のベスト4の道は閉ざされたと述べた。またその反面多くの紙上では、そう悲観することはないと述べた。私は最高の組み合わせではないが最悪の組み合わせでもないと思っている。そして私を含めて多数の解説者は、初戦がすべてとも言った。そうすると初戦のカメルーン戦が非常に大切になってくる。日本は初戦のために対戦地のブルームフォンテーンに移動し、まったく環境の変わった地で、ある意味地元アフリカの雄カメルーンと初戦を戦う。

 私は今回の大会は、あまり番狂わせがない展開だと予想する。理由はヨーロッパと時差がないし、気候が寒いサッカーに適した時節だからだ。そして各組の組み合わせもおおむね2強が安定していると見ている。日本にとってはこの初戦がすべてだ。予選を苦しんで勝ち取ったカメルーン、エトーを中心にした爆発的な攻撃をどうかわすのか、立ち上がり数人で囲んでボールを奪う、そして攻撃へと転じる日本の戦術で先取点を取れるのか。日本が動きの良い時間帯に点が取れるのかがキーポイントになる。1試合無失点で切り抜けられるとは思えない。初戦の先取点が何よりも重要だ。

 予想の2)として、日本のキャンプ地が気候の良い保養地ジョージだ。私は早くからこの地を押さえることには納得していない。試合地を見てキャンプ地をきめるべきだ。今回すべてのゲームに移動を伴い、その上キャンプ地より劣る環境となる。また2試合が海岸線のジョージよりはるかな高地となる。よって日本チームのタフさが試される。それはカメルーンよりもタフでなければならないということだ。私はキャンプ地から飛び立ったチャーター機がブルームフォンテーンに着いた時点で天候が寒く、異様な雰囲気に飲み込まれる日本代表を思い浮かべる。

■試合会場のピッチ、空気に慣れないと…

 まあ、悲観論はこの辺にしておこう。次戦のオランダ戦は海岸線のダーバンだ。予選で圧倒的に強かったオランダと真剣勝負だ。そして、これまた予選でポルトガル・スウェーデンを押さえて一位通過した若武者ベントナーやラーセンのいるデンマークと高地で続く。結局最終戦までもつれ込む。日本時間の午前3時30分の開始。眠れぬ夜が待ってくれている。では対策はどうするのか、今から出来る対策は何なのか、私は思う。戦術的にはスタメンにハードアタッカーを揃えて守備を厚くすることだ。そして、出来るだけ早めに試合地に移動して相手より多くの時間を会場のピッチで練習に費やするすることだ。ようするに初戦のブルームフォンテーンを二次キャンプ地にすることだ。ピッチだけでなく、土地の空気に慣れることが絶対だと思う。

 これには相当の勇気と政治力が必要だ。(余分な経費とセキュリティーが重石になる)あとは結果を恐れずにシュートを打つ雰囲気づくりだ。きっとかなりの重圧がかかるだろう。その重圧は指揮官もしかり。初戦0-2で前半を終了した場合のシミュレーションを日本にいる時点で考えておくことだ。

 今までの対戦成績は全く役に立たないだろう。初戦のカメルーンも日本以上に重圧があるに違いない。それを逆手にとるぐらいのしたたかさが必要だ。条件面での交渉、先手必勝になってくる。(カメルーンチームより良い時間帯での練習時間の確保、宿泊ホテルの諸条件、マスコミをシャットアウトする警備、安全の保証といった具合)

■2018、22年のW杯招致活動は?

 話は変わって、2018年2022年のW杯承知活動についても危惧している。2002年の時も閣議了承があった。それはスタジアム周辺の道路などの整備などハード面だった。(スタジアム整備は地元自治体のマター)入国手続きなどのソフト面の緩和については、後々まで決定されなかった。今度の閣議了承は、その逆だ。ハード面の資金はない。ソフト面の支援が柱だ。大阪梅田北ヤードの再開発にW杯スタジアム構想が浮上した。しかし、地元は金がない。国もまた資金の保証はしていない。頓挫することは間違いない。

 宮城県や茨城県も開催に前向きでない。前回苦しんで実施した会場地自治体は次回はゆっくりテレビ観戦したいのであろう。私も同感だ。W杯を人生で2度参画するには、あまりにも偉大であり難題でもある。キャンプ地自治体もしかり、招聘するチームが万一北朝鮮やイラクでも受け入れる決心が必要だ。多くの負担を住民に強いることを表明する手続きが必要だ………もっとシュミレーションすべきだ。来年の12月までW杯のドラマはつづく。