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各国でリーグ戦が再開している。(連載第129号)

2010年07月30日

 W杯の決勝の余韻も薄れ始めている今日この頃である。ヨーロッパではリーグが始まろうとしているし、Jリーグも再開している。京都サンガはいきなり2連敗で最下位に低迷している。加藤監督か解任されコーチだった秋田監督が継いでいるが、あまり期待はできないと思う。W杯開催中の約2ヶ月間に、どれだけの練習と戦術の確認、補強ができているかが問題なのだ。W杯の世界的なプレーに刺激を受けながら自分たちのサッカーを磨き上げたチームが快進撃をすることになる。

 この大会では、フランス、イタリア、イングランドなどの常勝国が早々と去った。そしてブラジル、アルゼンチンなどの優勝候補もゲームを支配することなく決勝トーナメントを乗り切れなかった。ポルトガルのロナウドやアルゼンチンのメッシ、イングランドのルーニーが得点をするシーンもなかった。(ロナウドの1ゴールを除いて) それに代わってミュラー、ビジャ、スナイデル、フォルランが5ゴールを挙げている。いずれも完璧なシュートだった。

 この大会後に言えることは、サッカー強国の構図が確かに変わったことだろう。これはしばらく続くと思う。かつてのサッカー大国から中堅の国が主導権を取った。スペイン、オランダ、ウルグアイ、ポルトガル、パラグアイなどが牽引している。しかし、忘れてはならないのがヨーロッパにはこれらに続くチームが多い。クロアチア、チェコ、セビリア、スロベニア、スイス、ベルギー、スウェーデン、ロシア、ポーランドなどだ。次回の大会の予選とともにユーロ大会の動向も注視したい。

 次に、高地と伸びるボールがことごとくシュートを高らかに外す原因となった。ハンドの反則も多かった。これには2つの要因があると分析している。ひとつは弾むボールだ。弾むボールを選手はコントロールできなかった。そしてもう一方は、意識的なハンドである。あきらかに手を使っているケースが目立った。ペナルティエリア内で手を使って相手のユニホームを掴む行為も目立った。FKの壁になるDFが手を挙げてボール制止するなど昔は考えられない行為もあった。

 世紀の誤審もあった。かつて改装前のウエンブレースタジアムに行ったことがあるが、1966年のW杯のイングランド対ドイツ戦の延長にあったハーストの疑惑のゴールが実物大のパネルで掲示解説されていた。その時のことをなぞってハーストの復讐とも言われた誤審だった。しかし、今回は誰の目にもゴールインしている。1966年の時はモノクロフィルムを何度スローでリプレーしてもゴールインかどうか判定できない微妙なシュートだった。

 オフサイドやハンドの誤審もあった。すべてテレビ放映の技術の進歩だ。では、FIFAはどのように対応するのだろうか、以前にも議論のあったビデオ判定の導入か、ボールに埋め込むマイクロチップの電子反応か、次回の大会では採用されるだろう。審判はいろんな情報処理能力を問われる。大変な時代に入ってしまう。

 日本は2022年大会の招致に立候補しているわけだが、このほどFIFA視察団が来日した。日本の他に多数の国が立候補している。やはり初めての開催国が有利だと思う。オーストラリアやカタールなどがアジアでは有力となる。それに、大阪梅田の中心に予定(予定というより想定)されている決勝戦の大スタジアムが注目されているが、1000億という膨大な経費捻出が最大のネックだ。立候補しているからには夢物語を語っている状態ではない。責任ある行動が問われる。

 プレゼンは大切だが、得てしてオーバープレゼンになりがちだ。思い返すと2002年のときも国内10ヶ所に新しいスタジアムが建設された。ひとつ200億300億の経費がかかっている。私は京都府が落選した時に大変残念に思ってしばらく呆然としていたが、その後この大会に携わって10会場を見て回った時に落選して新スタジアム建設を断念したことをもっけの幸いと思ってしまった。

 日本協会の新会長に小倉さんが就任した。最後に苦労人の登場である。年齢を考えると無理をしないでほしい。2002年の時の現場の総指揮官で朝早くから夜遅くまでガラガラ声で駆けずり回っていた印象が強く。あれから8年経っている。

 現状のサッカーは、スペインやオランダが証明したように精度の高いパスサッカーに運動量の豊富さと強固なDFを織り込まれたトータルサッカーの行き着いた姿だ。それに個人の能力としてトラップとドリブルの旨さが加味される。シュートは角度のないゴール上隅に蹴りこむことが可能な技術とパワーが必要だ。そして大会の一次リーグから序々にコンディションを上げていくチームとしての完成度が大事になってくる。

 と思うと日本チームには大きな課題が残っている。次期監督も来月には決定するだろう。どんなサプライズがまっているのだろうか。名古屋のピクシーだろうか。また楽しみだ。