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U23代表、フル代表、なでしこ、セリエAなどサッカー三昧の日々(連載第146号)

2012年03月01日

【思い出の一コマ・1998年フランスW杯準々決勝 フランス対イタリア ジタンのPK】
【思い出の一コマ・1998年フランスW杯準々決勝 フランス対イタリア ジタンのPK】

ロンドン五輪予選、日本が優位に

 U23オリンピック予選対マレーシア戦については、4-0の大勝で数値的に優位になった。

その上シリアがバーレーンに負けたことによって大きくオリンピックへの切符を手中にしたことは間違いない。

 ただし、4得点の大勝に相反して前回のシリア戦同様で内容は良くなかった。相手がスペースを消して囲んでくるとミスパスが増えたし、横パスも後方へのパスが目立っている。常にボールをとられないように後ろ向きのトラップが目立った。予選というプレッシャーからか、無難にプレーしようとしすぎてかえって攻撃パターンを逃す傾向があった。パスサッカーとスピードばかりを優先して、落ち着いた展開はなかったし、秀でたプレーも見当たらなかった。

 得点の割に満足感がないのは、若い世代の選手たちが画一的で、意外性よりも忠実さに重きをおいた結果だった。サッカーの世界だけてなく、現在の社会でも同じことだろう。

 私にしてみれば、だからよりサッカーに期待していた。そして、中盤にゲームを落ち着かせる選手、かつての中田ヒデ、中村俊輔のような選手が必要だとも思った。これで最終戦、バーレーンは2位狙いで奮起してくるし、シリアもマレーシアに大量得点を狙ってくる。日本がバーレーンにぶっちぎりで勝てるようなゲーム展開を期待する。

 上層部は、もはや戦術よりも選手個人の奮起を呼び込むことが必要だろう。

遠藤と中村憲剛の安定感を確認

 次にフル代表のキリンチャレンジカップについては、てっきりアイルランドとのゲームだと思い込んでいた。しかし、相手はアイスランドだった。その上、オフ明けの親善マッチだ。

私はもっと強い相手とのマッチが見たかった。3-1で勝利しても何の得があるのだろうか。どうしても収穫を挙げるのであれば、新しい選手を見られたこと、遠藤と中村憲剛の安定感を確認できたこと。

長友のシュートに期待

 セリエAのインテル対ボローニャ戦 インテルが0-3で完敗した。連敗が続いている。長友のプレーももうひとつだ。ケガから復帰したスナイデルが相手チームに執拗にマークされて、自滅している。かつての輝きがみられない。その状態でなすすべもなく、失点を積み重ねて敗北している。長友はスナイデルと同じサイドであるため、動きを制されたスナイデルと相まって長友も精彩を欠くことになる。

 しかし、何度か長友らしさがみられたプレーもあるが、最後にパスを選択するから彼の得点が見られないもうチームフレンドに遠慮せずにシュートをバンバン打つ姿も必要ではないだろうか。

W杯三次予選の最終戦 ウズベキスタン戦(0-1)

 昨晩トヨタスタジアムで開催されたウズベキ戦で、かねてから懸案であった日本の弱点が露呈した。スタメンの半数が出場停止にも関わらず、全員が同等レベルの技術の高いウズベキスタン相手に日本の良いところが出せないで終わった。相手は体格、技術ともに日本を上回った。攻撃は単純に日本の背後を狙う。守備はすばやく複数で囲む。

 ボールを容易く捕られない。バスも強いパスとやわらかいパスを使い分ける。遠くからシュートを狙う。などなどのポイントが挙げられる。短時間にこれらのストロングポイントを見つけることが可能なのは、彼らがチームとして戦術を理解していて、ゲームの中でそれを確実に実行しているからだ。

 そのうえ、一番の上手さがあるのは、これだ。優位な体格を利用した体の使い方である。たとえば、ドリブルしていてボールを取られそうになると、相手に体を預けてくるし、高いボールに対しても相手に体をぶつけてからプレーをする。実に試合巧者だ。もちろん、サッカーをやっていると日本人は誰もがフィジカル面で苦労する。だからスピードと技術をより磨こうとする。

日本のスピードとパス生かせ

日本の持ち味は、スピードとパスサッカーだ。しかし、このゲームに関して、ウズベキスタンは前半20分で日本のやり方に慣れてしまった。もちろん事前の研究もしていただろう。彼らは日本のスピードとパスの出所である遠藤と長谷部を抑えた。そして、自分たちのサッカーを単純にやってしまった。日本から見れば、やられたわけだ。

 では、どうすればよいのか……。それはこうだ。日本のスピードとパスサッカーが慣れるまでに早い得点を取ることだ。先取点をできる限り早めに取る。なれる前に火をつける。そして、パスの出し手を増やすことだ。センターバックの二人が良いだろう。それも、最終ラインからでなくて、ボールを持ってボランチの位置まで上がってからだ。パスの出し手が増えることで、遠藤や長谷部の可能性も生き残るわけだ。今までのやり方では最終予選は突破できない。

 代表マッチ50ゲームで26得点の岡崎が放った前半早々のシュートは惜しかった。あの切り替えしは、まさにブンデスリーガだ。プレミアリーグの宮市が見たかった。低い腰の位置で早いステップでの安定したドリブル突破を見たかった。

 個々のプレーを上達することが必要だ。もしも私が代表監督だったら、彼ら一人ひとりに宿題を課すだろう。もっとトラップを上達すべし、クロスの精度を上げるべし、ミドルシュートを枠に飛ばすべし、などと。

楽しみな「なでしこ」宮市、京川

 ポルトガルのアルカルベ 杯が開催した。なでしこジャパンは初戦ノルウェーに2-1の辛勝であった。テレビで代表戦に続いて生中継された。前半は、今一のパス回しだったが、徐々に体が慣れてきたのか後半は日本のペースだった。その中で新しい戦術にもトライしたし、試合も逆転勝利した。今回アメリカと対戦する(3月5日)。その試合で見極めてみたい。大変楽しみだ。少しだが新人の京川が見られたドリブル突破すべき時に先輩へのパスを選択して監督に怒鳴られたらしい。叱った佐々木監督も偉いし、それを経験した京川も幸運だった。

 代表の宮市と京川の二人のプレーが楽しみだ。早く見てみたい。3月9日に最終予選の抽選会がある。日本はシードされるのか否か。どのグループに入るのか、6月の最終予選までに悔いのないチーム編成ができるのか、オリンピック予選も絡んだ負けられない戦いが続く。ほんとに楽しみだ。