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日本代表を強くする提言~前編~(連載第149号)

2012年3月29日

17年前に撮影、なつかしの一枚からミラノのスタジアムを紹介

2枚の写真で即席のパノラマ写真、インテル長友のホーム、ジュゼッペ・メアッツァ
2枚の写真で即席のパノラマ写真、インテル長友のホーム、ジュゼッペ・メアッツァ

(左)スタジアム内部のスタンド席、壮観な眺め(右)各コーナーの円筒が入出の階段で8万人対象
(左)スタジアム内部のスタンド席、壮観な眺め(右)各コーナーの円筒が入出の階段で8万人対象

「常識」と「非常識」

 近ごろ、この日本では「常識」的な判断があまりにも成されていない。震災後の政府の対応、国から地方に至っては役所の仕事ぶり、平気で嘘をつく大人、迷惑をかえりみない高齢者、未成年者の犯罪。かつての日本の「常識」からかけ離れた人びとに嘆く。

 一部の人達かもしれないが、自分達だけの理屈を通す世界、前例の都合の良い部分だけ踏襲し、あえて改善や改革をせずに、ぬくぬくとしている組織には、我慢ならない。そんなことを思っているのは私だけでないだろう。

 話題を変えよう。サッカールールは、全部でたった17条の項目で成り立っている。しかしながら、有名な言葉があって、ゲームを円滑に動かしているのはルールブックに載らない第18条だと言う。その18条とは、「常識」と言う言葉なのだ。以前コラムでこのことを紹介したことがあった。(サッカー競技規則は、常に補則や改訂が繰り返され最新版は56ページからなる。)

 今、大切なのは、失った日本の「常識」を取り戻すことだ。「常識」が美徳を生み出し、「常識」から平常心が生まれる。平常心が保たれば、チームとして最高のパフォーマンスが可能となる土台が出来る。その土台の上に、戦術と個人の技術がビルトアップして、最高の位置を目指すわけだ。こんなことを考えながら日本代表を強くする幾つかの提案を掲げてみたい。

すべての基本は守備から

 最近、JやACLのゲームをテレビで観戦しているが、やはりBSで見るセリエA、プレミアリーグ、リーガエスパニョルにかなわない。ゴール前の迫力は一段と違って、スピード気迫ともヨーロッパが上だ。そのヨーロッパリーグから見えてくる現代サッカーを分析し、そこから日本代表を強くしていくヒントを探してみたい。まず、すべての基本は守備だと確信している。どこのチームのセンターバックも体格が良くてすばらしい選手がそろう。いちいち例をあげないが、もちろん日本代表もしかりだ。

 よく4バックか3バックかで議論になる。ここでは、あえてこの問題を取り上げないでおこう。日本の守備の良い点は、守備に忠実で組織化されていることだ。誰も守備でサボらない。しかし、失点を食って敗退することがある。これを仕方ないことだと割り切るかどうかだ。ある意味では、サッカーは時の運である。負けることもある。人はミスを犯す。このことは、避けて通れない。ただ、ミスを犯す回数を減らすトレーニングとそれ以上にミスをカバーする体制が大事である。

 日本の弱点は、高いボールとDFの裏に放り込まれるボールだ。特にGKとDFの間にボールを出されると守備に混乱を招くことがある。この時DFは、ボールに対して背にしながらのプレーとなる。自身のゴールに向かうプレーでもある。その上、大抵が速攻であったりする。多くのケースで失点を喫している。相手チームは、この単純な攻撃を繰り返し行うことで日本に勝つことが容易なのだ。では、どうしたらこの弱点を克服できるのだろうか。4月はこのことを考えてみたい。

 そして週末はマンチェスターダービーがある。イタリアのミランとユベントスの優勝争いも終盤だ。なでしこジャパンのアメリカ戦、ブラジル戦も控えていて、まだまだサッカー三昧だ。(続く)