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ロンドンオリンピック開幕記念 英国サッカー代表(連載第159回)

2012年07月17日

ロンドンの象徴 国会議事堂の時計台ビッグベン
ロンドンの象徴 国会議事堂の時計台ビッグベン

イングランド代表エンブレム
イングランド代表エンブレム

重厚で落ち着いたロンドンの街

 京都の真ん中を鴨川が流れているように、パリにはセーヌ川、ローマではテベレ川が流れている。そして、ここオリンピックを直前に控えたロンドンではテムズ川が流れている。

 テムズ川はロンドン市内を蛇行しているが、その中間ぐらいにウェストミンスター橋が架かっていて、その川岸に沿ってロンドン名物のビックベン、国会議事堂のゴシック建築が見事にそびえ立っている。

 ここの前には、第二次大戦で最後までドイツに抵抗した宰相、チャーチルの猫背の銅像が睨みを効かし、国会議事堂のとなりにウェストミンスター寺院が位置している。テムズ川から数分の距離だ。ウェストミンスター寺院からすぐの距離に現在のロンドン警視庁の近代的な建物がある。以前はテムズ川沿いの旧式な建物だった。ここが旧スコットランド国の所有地だったため、ロンドン警視庁をスコットランドヤードと呼んでいた。東京の桜田門とよく似た呼称だ。現在のロンドン警視庁界隈はビジネス街だ。よってパブも多い。ロンドン警視庁からしばらく歩いて行くと、バッキンガム宮殿の方向に向かっていくことになる。途中トラファルガー広場を経由する。

 こんなふうに歴史的な地区を歩いて散策することができるロンドンの街だ。地下鉄やロンドン名物の二階建バスもよいが歩いて回ることができる。

 写真は、ウェストミンスター寺院の向かい側からビックベンを望んだ光景で、時計台の向こうにテムズ川が流れている。

イングランド王室紋章三頭の獅子

 2枚目の画像はイングランドサッカー協会のエンブレムで愛称の「スリーライオンズ」が描かれている。現在のイングランドの国章の獅子とそれにイングランドの国花であるバラ、チューダーローズをあしらっている。

 日本サッカー協会のヤタガラスは日の神様を現しているが、王室の国イギリスらしいエンブレムだ。

イギリスサッカー協会(The FA)

 FIFA(国際サッカー連盟)は原則一国一協会の加盟である。しかし発足当初から例外があって、英国は4協会の加盟が認められている。その理由は、近代サッカーの発祥の地らしいわけがある。今回のロンドンオリンピックでは、イングランドサッカー協会が主催国として代表で参加する。うまく説明できないので以下はウィキペディアから抜粋して紹介しよう。

 1863年のFAとロンドンの12クラブ(11とする資料もある)による統一ルール作成により、近代サッカー(現代のサッカー)が誕生し、イギリス各地に広がり、世界中に広がった。そして、近代サッカー誕生から41年後の1904年にFIFAが誕生した。FIFAは当初、原則1国1協会としていた。が、既にイギリス本土4協会(以下イギリス4協会と略)それぞれが独自に活動しており、さらに近代サッカーの母国としての優位性を主張したイギリスはFIFAに参加しなかった。

 元々、サッカー単独の世界選手権(後のFIFAワールドカップ)を開催することが目的の一つだったFIFAは、近代サッカーの母国であり、自他共に認める近代サッカー初期の最強の国であるイギリスをFIFAに加盟させる為に、イギリス4協会それぞれを承認した。

オリンピックにおける統一イギリスチームは?

 イギリスのオリンピック委員会も、サッカーに関しては、国際競技団体として統一イギリス代表の組織を承認していない。このため、サッカーが公式なプログラムになっているにもかかわらず、近代オリンピックには単一国家(統一イギリス代表)としての出場が大原則であるため予選時から統一イギリス代表は参加してない。

 第14回ロンドン五輪はイギリス代表の名前で参加した。但し、いずれも中身はイングランド単独チームであった。イギリス4協会は、それぞれ1992年バルセロナ五輪からオリンピック欧州予選を兼ねているUEFA U-21欧州選手権に参加しており、実際にイングランド代表が準優勝するなどの成績を残しているが、たとえ優勝してもオリンピックには出場が認められないため、オリンピックへの出場は無い。

 今回の第30回ロンドン五輪では開催国として4協会が一体となった統一イギリス代表として出場することも検討したが、イングランド以外の3協会が協会の独立性が失われるとして反対したため、一旦は統一チーム結成は断念し、イングランド代表の単独チームが『イギリス五輪代表』として出場することになっていた。しかし、イギリスオリンピック委員会を中心として調整をした結果、統一イギリス代表の結成で合意した。

 以上がオリンピックでの英国チームのややこしい成り立ちである。日本に変えて言い直せば、北海道チーム、東日本チーム、西日本チーム、四国・九州チームがそれぞれのアイデンティティーを優先するがために、日本代表として出場しないということだ。頑固な国というべきか、歴史的というべきか、サッカーには、いろいろな事があって私の興味を追い立ててくれる。