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ロンドンオリンピック特集 男女サッカー白星発進(連載第160号)

2012年07月28日

ロンドンから西へ200キロにある先史時代のストーンヘンジの巨石遺跡(世界遺産)画面左に小さく、人の姿が写っている。
ロンドンから西へ200キロにある先史時代のストーンヘンジの巨石遺跡(世界遺産)
画面左に小さく、人の姿が写っている。

ストーンヘンジからバスで40分の距離あるストーンサークル、何のために置かれたのか???? イギリス発祥のナショナルトラスト運動によって保護されている。
ストーンヘンジからバスで40分の距離あるストーンサークル、何のために置かれたのか????
イギリス発祥のナショナルトラスト運動によって保護されている。

はじめに・・

 前号のコラムではFIFA(国際サッカー連盟)はイギリス4協会をそれぞれの国として独立した加盟を承認している。またその歴史的な背景を述べた。しかしその4協会の紹介を残していた。今回はそれを示してからスタートしよう。

 世界でも類を見ない独立した4つの協会は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドである。私の好きな歴代のプレーヤーNo.1のジョージ・ベストは、その卓越したセンスと裏腹にワールドカップには出場した経験が無い。それは、彼がスコットランド人だからであって、もし、英国1協会ならオリンピックやW杯に出場して名声を発していたことだろう。4つの協会の独立性は私たち単一民族の日本人では理解できない本質的なものである。

 私たちは、イングランドサッカー協会を近代サッカーの母国として尊敬の念を持っている。そのためイングランド協会とは呼ばずにFA(フットボール・アソシエーション)と呼ぶ。これは、他国では例のない特別なことなのである。

マラソンの距離42.195キロの背景

 ロンドンでのオリンピックは今回で三度目、第四回ロンドンオリンピックの時までは、マラソンの距離は約40キロとしていて、決して統一されたものでなかった。当時、ロンドン郊外の国王の居住であるウィンザー城の門外の道路がスタートでロンドンまでの距離で争う予定だったが当日スタート前に、王妃アレクサンドラの鶴の一声で宮殿内の庭がスタート地点と変更された。よってその距離が42.195キロとなったのだ。このときの優勝者はイタリア人のドランドだったが、ゴール直前に倒れてしまい競技員に助けてもらったため失格となった。後に王妃の計らいで特別なメダルを授与されたという。正式に42.195キロが統一されたのは第八回パリオリンピックからである。という話を先日テレビで知りました。ひとつの疑問が解けました。

男女サッカーいきなり白星発進

 女子キャプテン宮間のことばに感動した。「ここにいるのは選ばれた18人、大切な人や想いがあって戦っている」。そして男子の唯一の得点、大津のことば、「グラスゴーの奇跡ではなく実力である。」あきらかにスペインはいつもの自分たちのサッカーをやれば勝てると思っていた。彼らは、名実ともに世界ナンバーワンの自負があった。それが日本チームへの研究不足としてあったのだろう。少なくても永井の研究はしてなかった。

 日本代表は、戦術で勝利した。スペインのパスサッカーが日本を包囲する前に、前線からプレッシャーをかけた。普通は90分間も持続することはないが、日本には永井がいた。

 彼のスピードを知らないスペインDFのミスで、一人少なくなったスペインに日本の戦術は確実に効いていく。あの信じられないスペイン監督の表情や必死でもがくスペイン選手の顔がクローズアップされて世界に配信されていく。

 いつも言う。サッカーは弱いチームが戦術を駆使して強いチームに勝つことができるボールゲームである。だから楽しい。試合後、永井のドーピング検査が3時間もかかってしまう。それほど水分を完全に使い切ってしまう程に走り回った。彼らの勝因は最後まで走りきった事である。それを選んだ監督の戦術を賞賛したい。

 なでしこは、澤の完全復調が勝因だろう。テレビ画面に映る澤のプレーに迷いはない。攻めても守っても彼女の機敏な動きが再開した。男子のスペインと違って、名実ともに世界ナンバーワンではなかった。あくまで挑戦者の位置にいる。大会直前の2試合の敗退(アメリカ戦とフランス戦) が良い結果に動いている。彼女たちを謙虚にステップアップさせていく監督のコントロールを賞賛したい。日本チームの勝因は奇跡ではなくて、事前準備をしっかりしたオールチームの実力なのだ。

コンパクトなオリンピックとは・・

 オリンピック開会式が始まった。4年前の北京の時とは違って、イギリスらしいすばらしい開会式であった。今回の特徴はコンパクトな大会設営である。メインスタジアムなどは、大会終了後一部を解体撤去して小規模なスタジアムへと変貌する。使いやすい地域にマッチしたスタジアムへと再生する。W杯日韓大会後に残った巨大スタジアムは、一部を除いて再利用化は困難である。遠くて、大きいスタジアムは現在の生活環境にはそぐわない。それに維持費が高くて財政を圧迫させている。いわゆる箱物行政の成れの果てだ。

 ロンドンはスタンド席を減らして、使いやすい小さなスタジアムとして地域で利用可能な生きた施設にして再デビューさせる。そのほかにもコンパクトな設計が豊富らしい。私は、もっと知りたい。ロンドンで必要と無駄の境目を知りたい。

 いよいよ大会が始まって、いろんな出来事や感動的なシーンが映し出される。私の生活も2日前からオリンピックモードに切り替わった。ではではまたまた・・・