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オリンピック特集 無気力試合(連載第161号)

2012年08月05日

オリンピック発祥の地 ギリシャ アテネのゼウス神殿 BC500年頃着工。104本からなっていたが現在15本のコリント式柱が残っている。遠方にアクロポリスの丘が臨める。
オリンピック発祥の地 ギリシャ アテネのゼウス神殿 
BC500年頃着工。104本からなっていたが現在15本のコリント式柱が残っている。
遠方にアクロポリスの丘が臨める。

ギリシャ コリントス運河 1893年に完成した全長6キロにおよぶペロポリス半島を横切ってエーゲ海へ渡る大運河。断崖は52メートルの高さ。
ギリシャ コリントス運河 1893年に完成した全長6キロにおよぶペロポリス半島を横切ってエーゲ海へ渡る大運河。
断崖は52メートルの高さ。
※毎号コラムの画像は筆者が撮影したものから厳選して掲載しています。

無気力試合とジャッジの監視員

 今回のオリンピックでは、審判の判定が覆される場面が多い。これは、いままでに見られない現象で審判を監視する制度ジュリーがある。これまでの判定は仮に誤審であっても秩序を優先して、抗議は認められなかった。私たちは、その誤審も含めて運の良し悪しとして諦めていた。

 それがロンドン大会では翻っている。団体男子体操では日本が銀メダルになった。柔道やウエイトリフティングでも監視員がビデオで判定して審判と違った結論を出した。私は、誤審で泣くよりもこの制度によって正しい道が開けることを歓迎する。ただし、反対意見も多い。何のための審判制度なのか、審判の地位やレベルが落ちてしまう。などである。たとえ複数の審判であっても一瞬を各位置から判断するのは困難が伴う。バックに監視員がいるほうが、審判にとっても気が楽ではないだろうか。と思う次第だ。サッカーを含めて今後どのようにジャッジメントを考えていくのか、大きな大会を節目にして進歩してほしい。

 無気力試合をしたチームに失格という厳しい罰が下った。女子のバトミントンダブルスで、数チームがわざと負けて決勝トーナメントの組合せを操作した。明らかな負けを自分たちで演出した。サッカーのなでしこジャパンの予選最終戦、監督が引き分けねらいを示唆したことが、この無気力試合に当たるとクレームが付いた。結果は選手たちに無気力ゲームの証拠は見当たらないということで大事に至らなかった。

 過去に予選リーグでは、ゲームを操作するような動きはあった。控え選手の大量起用や時間稼ぎをすることはあった。それも戦術の一部であると考えていたからだ。しかし、今回はオリンピック精神にのって無気力試合に対する非難は大きい。指導者は、世の中の流れも読み取る国際感覚が必要になってくる。

無気力ゲームとは程遠い日本サッカー

 男女ともベスト4に勝ち進んだ。近年まれに見る好ゲームだった。勝因は個々の選手の実力は言うまでも、チームとして成長していく原動力を感じる。

 男女とも共通した点が多い。

 以上が感じたことだ。多くのサッカー関係者も同様だろう。

 最後に、男女とも組合せが良かった。男子は決勝までブラジルと当たらないし、女子も同様にアメリカと当たらない。次の準決勝は、サッカーの聖地ウエンブレーだ。決勝もこのウエンブレーで見てみたい。日本サッカーが聖地ウエンブレーで決勝戦を戦うことが自分が生きている時代にみられる。こんな夢がかなうのだろうか。