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W杯ブラジル大会最終予選 イラク戦(連載第165号)

2012年09月12日

ブラジル北東部大西洋に面した歴史都市サルバドール(バイア州首都人口250万人)W杯の会場地のひとつでもある。異民族が混同した町だ。1500年代後半に奴隷貿易の基地として栄えた。ブラジル最初の首都。
ブラジル北東部大西洋に面した歴史都市サルバドール(バイア州首都人口250万人)
W杯の会場地のひとつでもある。異民族が混同した町だ。
1500年代後半に奴隷貿易の基地として栄えた。ブラジル最初の首都。

バイア州の民族衣装を着た女性たち、褐色の肌に白のレース地が良く似合う(サルバドール)
バイア州の民族衣装を着た女性たち、褐色の肌に白のレース地が良く似合う(サルバドール)

リオの海岸に出現したココナッツバースタンド
リオの海岸に出現したココナッツバースタンド

早朝のリオのコパカバーナ海岸、海岸線はイパネマ海岸、レブロン海岸と続く。世界三大美港のひとつ。人口600万人、周辺を含めると1000万人の大都市圏だ。W杯では決勝戦が開催されるカーニバルの町。
早朝のリオのコパカバーナ海岸、海岸線はイパネマ海岸、レブロン海岸と続く。
世界三大美港のひとつ。人口600万人、周辺を含めると1000万人の大都市圏だ。
W杯では決勝戦が開催されるカーニバルの町。

カポエイラという格闘技

 アフリカが起源という蹴りを主とした格闘技がカポエイラだ。バイア州のサルバドールに行ったときショースタイルのこの格闘技を見たことがあった。アフリカからの奴隷船内で、狭いスペースで体を鍛えるために奴隷たちが演舞した。その後、新天地ブラジルで広まったらしい。

 何年かたった時ブラジルサッカーのドリブルやフェイントにカポエイラの運動要素が入っていることを知った。カポエイラは空手の蹴りのような型ではない。全身を軟らかく動かして宙を蹴る、逆立ちでも蹴る。その動きは格闘とダンスの中間に位置するとして、日本でも愛好家が多い。確かにブラジルのサッカーはサンバやカポエイラの独特なリズムとタイミングが要素になっている。私たち日本人には理解しがたい風土がある。W杯に行かれる方は、是非ともサルバドールでも観戦してほしい。セレソンの起源を垣間見る。

ヤングなでしこ執念の三位銅メダル。

 先週末行われた三位決定戦、対ナイジェリア戦、見事2-1で勝利して三位に入った。U-20女子日本代表を心から祝福したい。少し気のついた点を列挙しよう。その前の準決勝ドイツ戦は完敗だった。確かにドイツは強かった。大人と子供の違いがあった。まあ、これ以上は触れないでおきたい。三位決定戦で彼女たちはちゃんと修正してきたからだ。今後は優勝したアメリカと準優勝のドイツ、それに日本を取り込んだ三極の展開になる。

 ナイジェリアのフィジカルの強さは評判どおりだった。猶本や藤田が何度も吹き飛ばされていた。ピッチに体ごと叩きつけられても彼女たちはひるまなかった。疲れた体を押して立ち上がった。先取点のミドルシュートを放った田中陽子の言葉は、「蹴ったら入った」だった。そうとも、ゴールは蹴らないと入らない。彼女はきっちりシュートを打つことを仕事として認識していた。

 私が驚いたのは、あの左足の蹴りこみは、インステップの深いところで蹴る必要がある。そしたら大抵はキックの後、バランスを崩してピッチに倒れこむ。田中陽子は、軸足である右足を踏み込み、きっちり立ってボールの軌道を見つめていた。(ゴール裏のビデオ放映のとき気がついた)要するに、蹴ったら入ったというまぐれではなく、練習と体幹鍛錬の成果なのだ。彼女の左足は、代表の本田圭祐というよりも中村俊輔のタイプだ。軸足に負担のかかるサッカーなのだ。

 これが一例だろう。様々な場面でヤングなでしこイレブンは、日々の鍛錬を成果につなげた。国立競技場の入場者は2万9千人を越えた。この一年で女子サッカーは確実に根を張った感がする。私も一度スタジアムに足を運ぼう。神戸と高槻に良いチームがある。

 ただテレビ界に苦言を一言、なんで決勝戦のドイツ対アメリカを放送しなかったの?

※ 最近のなでしこジャパンの戦績をまとめた、そのすごさを思い起こそう。

U-20W杯アジア予選 3位 2010年5月 中国開催
アジア大会 優勝 2010年11月 中国広州開催
W杯 優勝 2011年7月 ドイツ開催
五輪アジア予選 1位 2011年9月 中国開催
アルガルベ杯 2位 2012年3月 スペイン開催
オリンピック 2位 2012年7月 ロンドン開催
U-20W杯 3位 2012年8月 日本開催

ジーコイラク対ザックジャパン

 久々に手に汗握る一戦だった。ジーコ対ザッケローニの采配も面白かった。イラクは強かった。ジーコははっきりした戦術で戦ってきた。しかし、日本選手は全員が調子が良かったし、イラクよりも一枚上だった。結果前田遼一の落ち着いた得点が決勝点になって1-0で勝つことができた。

 試合前に香川が腰の痛みで欠場していた。その上、内田、今野を欠いた戦いだった。しかし、伊野波と吉田のセンターバックが安定していた。岡崎、前田の切れもよかったし、サイドバックの長友、駒野のサイド攻撃も決まっていた。速い展開でイラクの手を抜かない攻撃に日本はピンチも多かった。川島が当たっていたし、誰も手を抜かない息切れもしないすばらしいサッカーを見せてもらった。

※ 久しぶりに各選手の採点をしてみた。
GK 川島 6.5
DF 吉田6.5、伊野波6.0、長友6.0、駒野5.5
MF 本田6.5、清武5.5、遠藤5.5、長谷部5.0、岡崎6.0
FW 前田7.0

心配なのは、以前よりも力が落ちていた長谷部、欠場した香川の二人だ。この試合でやっと、9月になってゆっくり休むことができる。今年は、12月にクラブ世界一もあるし、まだまだサッカーは尽きない。