京都新聞社TOP

サンドニの奇跡 フランスに初勝利(連載169号)

2012年10月14日

1998年フランスW杯記念切手シート 中央にフランススタジアム。
1998年フランスW杯記念切手シート 中央にフランススタジアム。

今回のゲームが行われたStade de Franceフランススタジアムとエッフェル塔の絵葉書
今回のゲームが行われたStade de Franceフランススタジアムとエッフェル塔の絵葉書

 日本時間13日未明のキックオフだった。ヨーロッパ遠征の日本代表の初戦は、今までに勝利の無いデシャン監督の率いる新生フランス代表が相手だ。フランスとは時差が7時間あって、パリは前日夜9時のキックオフとなる。スタジアムは、そこそこの観衆で埋まっていて、サンドニの秋は何か寒さを感じる空気が漂っている。

 もちろんテレビ観戦であるが、現役時代、旅先で一番多くの日数を滞在したことからパリの空気は自然と感じてしまう。パリのみならずヨーロッパの夜は遅い。夕食は20時くらいから始まるしレストランも深夜近くまで開いているのが普通だ。

 親善試合といえどもフランスは今年のユーロの成績が悪かった。そして新生フランス代表はビエリを中心に若返った。来週スペインとの強化試合が組み込まれていて、日本に勝って弾みをつけたい。それにホームゲームだ。それに反して日本も勝ちたい。ザッケローニにとっては地元といっても過言でない。フランスの鼻を明かして名声を勝ち取りたい。
代表にも多くのヨーロッパ組がいるし、彼らもまた認めてもらって一つでも上のクラブに移籍したい。そう香川や長友のように。

 試合は、前半防戦一方だった。試合を通して7割方、押されていた。フランスの敗因は、決定力がなかったことに尽きる。ボールを早くゴール前まで運ぶことの技術は一流だ。しかし、最後のシュートが入るとは思えないくらい甘かった。その原因のひとつは、ボールをもう少しペナルティエリア内に入れないとダメだ。 吉田や今野の出来とは関係なく、この点がフランスの準備不足だった。

 結果、後半から日本の攻撃が冴えてきた。42分にコーナーキックのクリアから今野の飛び出しで速攻を掛けた。一目散に相手ゴールまで持ち込む。日本チームは、香川を筆頭に内田と長友が並走していた。今野の冷静なパスがフリーの長友に届く。長友はダイレクトで中央へ折り返す。内田と香川が倒れこむ。香川が倒れながらボールを引っ掛けてシュートする。無人のゴールへ突き刺すという得点だった。

 影の殊勲はGK川島だろう。かなりのシュートをファインセーブしてくれた。この主因は、GKが両足を地面についてセービィングしているから、的確に遠く飛べる。GKが動くということは、両足が地面についていない状態だ。そうなれば、簡単に点は取れる。川島の仁王立ちが良かったのである。

 もちろん今野の飛びだし、長友のアシストがあったから香川の得点が生まれた。その前に川島の好セーブが起点だった。

 さぁ来週はブラジル戦。ブラジルとも長く勝てていない。(なでしこは別として)。どのような戦術を考えるだろうか・・・。