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よく使う言葉?(連載第179号)

2013年1月9日

私のピンバッジコレクション(W杯) 

このコラムでよく使う言葉を解説しましょう。

① ルールブックに載らない第18条
 サッカールールは、全部でたった17条の項目で成り立っている。しかしながら、有名な言葉があって、ゲームを円滑に動かしているのはルールブックに載らない第18条だと言う。その18条とは、「常識」と言う言葉なのだ。プレーをする上で、社会人として生活していく上で選手・レフェリー・観客がもっとも必要としているものが18条である。

② もうひとつのワールドカップ
私は昔、子供のころ見た日韓戦を思い出す。1967年メキシコオリンピックアジア最終予選の日韓戦。3-3のドローで終わった結果、次戦のベトナム戦を1-0で勝った全日本チームはメキシコへ羽ばたいた。釜本や杉山の時代であった。
そして初めてのスタジアムの観戦は1972年国立での第一回日韓定期戦だった。いずれも日本チームには大和魂があった。私にとって、もうひとつのW杯とは日韓戦を指している。

③ たかがサッカー、されどサッカー
「たかがサッカー、されどサッカー」の言葉は当初からコラムのサブタイトルだ。
今も時々たかがボール蹴りじゃないかとつぶやく。
サッカーが原因で相手国を中傷したり、暴動が起こったり、ラフプレイで試合中熱くなっている観客を見たりする時、たかがボール蹴りじゃないかと心の中でつぶやく。 1989年リバプール。試合中の暴動が原因でスタンドで床机倒が起こった。96人の犠牲者が出た事件があった。当時警察は、サポーターの過失が原因として処理した。2012年9月12日なって真実が判明し警察の都合の良い証言の改ざんだった。
先週マンチェスターUとリバプールの試合前に真実TruthとJustice for the 96の人文字がスタンドを埋め尽くす。全員でYou`ll never walk alone を合唱する。
リバプールの本拠地での出来事だった。
シーズンを通して地元チームを応援する人々は多い。
彼らにとっては、たかがサッカーでなくて生活のすべてだ。人生そのものだろう。
だから私は、されどサッカーと叫ぶ。

④ サッカーの神様
ものごとには不思議な力が加わる。その不思議な力は神様からの授かりものということを否定する人は少ない。サッカーにも神様がいる。スタジアムの上空で常に見下ろしている。
2012年のプレミアリーグ最終戦のマンチェスターの町で、私たちはサッカーの神様を見た。テレビ画面を通して見た。日本時間昨晩から今朝の最終節、残留を掛けていたQPRをマンチェスターシティがロスタイムに逆転した。最後はアグエロ(アルゼンチン代表)の逆転ゴールだった。劇的であり、感動的であり、歴史的であり、意外であり、精魂的であり、献身的であり、最後まで諦めない一致団結的であった。これらの言葉すべてを集めても言い表すことができない。それは44年ぶりの優勝だった。

⑤ サッカーの聖地
王様ペレがイングランドのウエンブレー競技場の歴史を指して、サッカーの聖地と呼んだ。
私たちは時々すばらしいゲームが行われたスタジアムを聖地と呼ぶ。
誰もが知る高校野球の聖地は甲子園だ。
高校サッカーの場合は、決勝戦が開催される国立競技場である。
マンチェスターのオールドトラッフォード、バルセロナのカンプノウも聖地である。
次回W杯が開催されるブラジルの聖地はマラカナンで我がふるさと京都の場合は西京極である。

⑥ 宝くじは買わないと当たらない
よく解説者は、シュートを打たないとゴールは生まれないと言う。これは宝くじを買わないと当たらないと言う事と一緒だ。つまり、トライすることが肝心ということだろう。
しかし、何度もトライしてダメな場合には、意識はあっても自然とシュートすることが遠ざかってしまう。
こんな時は、周りの適格なアドバイスがあれば、新たな気持ちでチャレンジできる。

⑦ サッカー観戦の重要な3つの視点
サッカーを見るときの大切な視点が3つある。
1は、チームのこと(スタメン、システムなど)
2は、スタジアムの観客のこと(特に観客数が気になる)
3は、レフェリーのことだ。(どの国のレフェリーなのか)

⑧ オシムの言葉
1.日本に欠けているのは、センターバックで大きくてプレーできる選手。FWもクラウチ、ドログバのような選手。なかなかすぐに育たない。
2.すべての選手が平均的。才能のある選手は早い段階で新聞に取り上げられて、スターマニアが出て、早くスターになり過ぎて駄目になってしまう。選手が育つには長い時間が必要で辛抱も必要だ。
3.日本選手は技術的に弱い。多くの人は技術があると思っているが、ブラジル選手のようにボールを浮かせるとか、止めるとかは必要ない。サッカーはそれだけ速くなった。常にスプリントをして、ダイレクトでプレーしなければならない。
4.もっと若い現代的なGK。もっと速く考え、速くプレーすることが重要になる。
5.監督はもっとアイデアを持たなければならない。もっと自由を与えられなければならない。最初にアイデアがなければならないのは監督なのだから。
6.監督がいつも選手よりよく知っていると考えるのは間違いだ。選手のほうが監督よりアイデアがあることがよくある。でも日本では、選手が監督よりもアイデアがあることは許されない。
7.日本の選手は欧州の普通の選手ほど走らない。本当は日本の選手は小柄なのだからもっと走らなければならないし、動かなければならない。
8.日本人はよそのまねをしすぎている。自分を向上させようとしていない。それも、日本の伝統なのだろう。日本人はドイツ人や英国人にはなれない。それを受け入れた上で発展しなければならない。
9.五輪、また東京でやるのは良くない。W杯をやって五輪をやるのは費用がかかり過ぎるのではないか。なぜ日本ばかりがいつも払わなければならないのか。

今やオシムの言葉はなつかしい。