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中東決戦ヨルダンに敗戦 (連載第188号)

2013年3月28日

タイ王国北部地方のジャングル  迷い込んだら出られない・・・
タイ王国北部地方のジャングル  迷い込んだら出られない・・・

日本W杯世界最速の決定ならず

 深夜のヨルダン戦を応援した人は多かった。しかし、残念な結果で寝つきが悪かったのではないだろうか。アウェーの悪条件であるにもかかわらずザッケローニ監督は、W杯の切符を取りに行くと宣言していた。試合中いつもと違った彼の血相にびっくりしてしまう。今朝のマスコミ各紙によるとヨルダン選手による卑劣な態度が彼を硬化させてしまった。アウェーの中東では何が起こるかわからない。

 私は、日本選手はその意味するところを理解していると言った。だから大丈夫とも言った。中東の洗礼を体得していなかったのは監督自身だったのかも知れない。劣悪なピッチ、異臭を放つロッカールーム、泥水のシャワー、スタンドが揺れる応援。そんな中で、人差し指で首を切ってみせるヨルダン選手にザッケローニは熱くなった。

 立ち上がりは日本のパスがつながって、トップ下の香川は前を向いてプレーが出来た。
むしろヨルダンの方が固くなっていると思うほどだ。時間とともに日本の選手が大事にプレーし過ぎている様に見えてくる。固いピッチに弾むボール、滑りやすい芝に日本の選手のプレーに幅がなかった。

日本代表はすべてに意識しすぎた

 中東の笛を気にしすぎている。そのためにプレーが小さくなっている。しかし実際は違った。イラクの審判団は、ヨルダンの遅延行為も採ったし、何よりも内田に対するPKも採ってくれた。アウエーを意識しすぎている。もっとサッカーを楽しむべきだ。W杯の本戦出場を今回のゲームで意識しすぎた。今回を含めて3試合ある。圧倒的優位にいるわけだから、もっとリラックスすべきだった。

失点は相手の選手がすばらしかっただけ

 前半ロスタイムのコーナーキックの失点はショックだった。何の防御も出来ないで終わってしまった。一瞬に飛び込まれた。その相手選手アッティアがすばらしかった。逆に日本で飛び込める選手が少なくなっている。岡崎しか思い出せない。

 後半の追加点は、相手の選手のフィジカルの強さを誉めたい。ハーフェーラインから酒井、吉田、今野を振り切り劣悪なピッチの上を全速力で日本のゴールめがけて突進したMFのディーブの脚力と精神力を誉めたい。そして、しっかりシュートを打った。逆に日本にはそんな選手は見当たらない。

 コーナーキックの失点はともかく、追加はくい止められた。それは、吉田が相手に体当たりして吹き飛ばすことだ。世界のDFは、ボールにタックルすることよりも相手の体を目掛けて突進する。そして、相手もボールも一緒に吹っ飛ばす。吉田は、いつものイングランドリーグ同様に紳士的なプレーでボールを奪取しようとした。これが間違いだった。

遠藤のPKの失敗

 遠藤のPKの失敗は見たことがなかった。私は、何かいやな予感がして手を握ってしまった。そして、右に蹴るなと心で叫んだ。GKのシャフィは当たっていた。手足の長い彼には、左側上のコーナーに早いボールを蹴ることが必要だった。または、何も考えずにおもいっきり蹴ることだ。遠藤には無理だった。彼はコーナーを見極めてけるタイプだったから。

 ガンバの不調が遠藤の陰りに結びついていた。この陰が彼の翳りにならないことを祈る。

ベンチワークの矛盾

 私なら後半早々に切れが無い前田とシュートを打たない清武を下げて、前ゲームで好調だった中村と乾を起用するだろう。トップ下に中村、左に乾、右に香川だ。単純なロングボールを起用するのは、ずっと後だ。

 本田の代わりに香川をトップ下に起用するかどうかは、今回のテーマのひとつだった。

 マスコミはザッケローニ監督が香川と心中するつもりだと書いた。私は何のための強化試合だったのだろうかと思う。シュートを打たない選手はいらない。もっと選手に課題を突きつけたらどうだ。

青いレーザー光線

 選手にレーザー光線を照射することが始まったのは何時からだろうか。その後も続いている。FIFAは何か声明を発する必要がある。しっかりと取り締まる罰則を作るべきだろう。

 日本では起こりえないことが世界では起こっている。

国際マッチデー

 来年のブラジル大会の次の次の大会が中東のカタールで行われることが決定している。W杯は第一回大会から夏の開催だ。しかし、ここの夏は40度を超える過酷な気象条件の下で行われる。FIFAの医事メンバーが夏の大会の健康上の問題を指摘している。冬になるならば、再度開催地投票を行う必要性があるとプラッター会長が論じている。

 いずれにしても、冬になるだろう。そして、一度決まったカタールの地になろう。一度決まったことを覆すのは困難だ。今回の国際マッチデー各地で予選が行われた。きっちりと決めた国や番狂わせのゲームもあった。まだまだW杯は決まらない。

 お楽しみは6月のオーストラリア戦まで待つしかない。崖ぷちのオーストラリアも必死に来るだろう。そしてコンフェデレーションズカップが待っている。7月には韓国で東アジア大会が開催される。J1にJ2、なでしこリーグと話題は尽きない。

イングランド 1-1 モンテネグロ
スペイン 1-0 フランス
マルタ 0-2 イタリア
韓国 2-1 カタール
デンマーク 1-1 ブルガリア
ウルグアイ 1-1 パラグアイ
ホンジョラス 1-2 メキシコ
ウズベキスタン 1-0 レバノン
ドイツ 5-1 カザフスタン