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コンフェデ杯2013 開幕戦(連載第197号)

2013年6月16日

※ちょっと古いがブラジルで発行しているサッカー情報誌 十数年前ブラジルにたびたび出張したときに空港の売店で購入した。全体に印刷は粗雑だが種類は多い。
※ちょっと古いがブラジルで発行しているサッカー情報誌 十数年前ブラジルにたびたび出張したときに空港の売店で購入した。全体に印刷は粗雑だが種類は多い。

試合前、ブラジルに勝つためのザックの秘策とは


マスコミ各紙をまとめると、この三つの秘策が挙げられていた。
1.ブラジルの両サイドバックの裏を突くこと
2.無駄なバックパスや横パスはしないこと
ブラジルの素早いプレスでボールを奪われないこと
3.ボールを奪ったあと前線からのプレスに気をつけること
何とかプレスをかいくぐるための素早い動きが必要

 しかし実際はどうだったろうか・・・・。確かにブラジルに勝利するためには上の秘策は当たっているといえる。今回も以前と同様に日本代表が秘策を試すことができる状況すら与えてくれなかった。結果0-3の完敗だった。

では、ブラジル代表と日本代表の差はなんだろうか

 立ち上がりのネイマールのゴールと前半なかばの本田のシュートを比較してみよう。 あきらかにネイマールのシュートの質がワンランク上だ。ネイマールのシュートはバッティングセンターでボールを吐き出すマシーンの軌道のようだった。ようするに弾丸の伸びが感じられた。日本の選手であのような伸びのあるシュートを打てる人はいない。

 その上、ブラジルにはスピードと強引さが同居している。これはある意味、相反することを意味している。強引さはスピードを遅らすことになるし、プレーのスピードを優先すると脆弱さが表に出てくる。ブラジル代表は、スピードがある上に強靭で体のバランスが抜群に良い。要するに根本的なフィジカルの強さ、そう体幹の強さに他ならない。この点がまったく日本代表と違う。

 では、戦う前から敗戦は決まっている様だ。そうその通り。敗戦を前提に組み立てる戦術が必要だった。スピード、強さ、ボディバランスに自然な体重移動が彼らの高いパフォーマンスを作り出す。

 この試合、香川はなすすべがなかった。何もさせてもらえなかった。トップ下としてキラーパスを出すことは到底できなかった。彼の場合、常に両足を踏ん張ってボールをキープしようとする。ターンをする時も同様だ。セレソンのように体重移動しながら片足や半身でプレーはできない。つまり、流れるようなサンバのリズムのようなプレーではなく、一小節ずつ句読点を打つテンポなのだ。これでは、勝てるわけがない。日本代表のリズム、フィジカルではセレソンを上回れないし、時間とともに疲れが蓄積して本来のサッカーが消え失せてしまう。

もう一度、出直し・・

 ブラジル戦の反省は、日本に帰ってからすればよい。次のイタリア戦に向けて本来の日本のサッカーを取り戻すためにやるべきことがある。それは、謙虚さを思い出すことだ。 サッカー界の新参者として、謙虚に戦うことだ。そして、強い心を取り戻すことだろう。技術、体力、気力とセレソンに劣っていたのは事実だ。だか、その程度はほんのわずかだった。次のイタリア戦で早いパスサッカーを取り戻すことだ。

コンフェデ開幕戦に思うこと多々あり

 首都ブラジリアへは過去2度訪問したことがある。現代的な国家像を象徴した都市計画で町全体が近代アートの展示場だ。新しいスタジアムには64000人以上が入った。レフェリーはポルトガル審判団だった。ブラジルの母国がポルトガルである。南米ではブラジル以外はスペイン語圏で、唯一ブラジルがポルトガル語となっている。

 出来たばかりのピッチの状態は芝が完全に根付いていなかった。再三岡崎は倒れていた。システムは両方とも4-2-3-1だった。たびたびセレソンのDFは前線に攻め込んでくる。本来は、その時がチャンスだったのに・・・・・。

 開幕戦のセレモニーは特出すべきものはなかった。地元ブラジルが新スタジアムにお披露目すること自体が最大のセレモニーだった。FIFAのプラッター会長のあいさつも短いものだった。ブラジル大統領が女性であることも知った。 そして日本にとってはこれ以上ない舞台だった。