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日韓戦 もうひとつのW杯(連載第206回)

2013年7月29日

※C581お召列車牽引蒸気機関車(梅小路SL館)。菊の御紋の真ん中に梅の花、SLの黒い鉄の塊と黄金色に輝く菊の御紋の質感を表現したいと思って撮った。
※C581お召列車牽引蒸気機関車(梅小路SL館)。
菊の御紋の真ん中に梅の花、SLの黒い鉄の塊と黄金色に輝く菊の御紋の質感を表現したいと思って撮った。

女子の日韓戦、その前に本田圭祐の移籍話

 毎日のように報道されている本田の移籍話。真意のところはいったい何だろうか。ロシアのシーズンは始まっている。イタリアは間もなく始まる。本田とCSKAとの契約は、12月まで残っている。これが最大のネックである。FCミランは高額な移籍金を支払うことなく、あと数か月待てばフリーで本田を獲得できる。しかし、この場合他の第三のクラブが良い条件を本田に提示する可能性が残っている。でも現時点では本田のミラン志望は固い。その上、欧州の移籍期間は夏季8月いっぱいまでの移籍と決まっている。新シーズンやヨーロッパチャンピオンズリーグの出場を考慮すると8月中旬が限度であろう。

 そしてまた、CSKAは本田に代わるMFが品薄状態に陥っている。今ここで本田に抜けられてはシーズン、チャンピオンズリーグとも戦いきれない。本田を現時点で獲得したければ移籍金6億強をCSKAに支払うことになる。そこまでミランは選手補強に困っているわけではない。よって、本田の嘆きと裏腹に進展しない訳である。

 優勝をかけた日韓戦が始まった。しかし、厳しい現実を見ることになった。1-2で女子は敗退し、優勝も逃した。男女とも日韓戦は、FIFAランクの関係ない戦いだ。なでしこジャパン、明らかに韓国の方が動きに迫力があり前へ前へと突撃していく。日本の良いところが前戦の北朝鮮から出て来ない。二重三重の厚みのあるプレーが見えない。控えの選手の力量も落ちている。新しい若い選手が活躍してこない。以前からのメンバーしか活躍できていない。大儀見や宮間らの活躍も限界だろう。

 三連覇にふさわしいサッカーではなかった。かつてのなでしこには澤のリーダーシップが輝き大野や宮間がその背中を追った。大儀見、熊谷といった海外組の若手が成長し、丸山や宇津木などの控え組が活躍した。しかし2年経過してしまう。今年の遠征を見ても外国との距離は縮まらなかった。一から出直すことになるが仕方ないことだろう。アジアで君臨し続けることの大変さが見えた結果だった。

男子の日韓戦

 もう一つのW杯と謳って久しい日韓戦だ。女子の敗戦を受けてのゲームだった。私はスタメンの顔ぶれが気にかかっていた。ザック監督は、どのような戦術で臨むかスタメンで判断できた。しかし初戦の中国戦と同じメンバーだった。私は少し不満が残る。やはりトップに豊田と柿谷のコンビを使ってほしい。豊田の空中戦に柿谷の突っ込みが見たい。

 苦しい完全アウエーだった。ホン・ミョンボ監督率いる新生コリアは、日本を圧倒した。 しかし、その攻撃は新鮮味のない古い戦い方だった。日韓戦なんか国際試合の一つとしか思っていない現代っ子の柿谷には関係なかった。冷静な彼のゴールが東アジアカップを優勝に導いてくれた。見事な得点だった。見事なサッカーだった。若き仕事師は、新しい日本代表のひとりとなったことだろう。確実にだ。

 そして、ロスタイムの日本ゴールを守ったのは、後半42分に入った豊田だった。彼のヘッドがGK西川の出たがら空きのゴールを守った。私の一押しの二人がきっちりと成果を出してくれた。日本は、結果2-1で韓国を破り2勝1分勝ち点7で優勝をした。

海外組とJリーグ組との戦い

 来月の親善試合ウルグアイ戦が楽しみになった。新生日本代表が出そろった。ザック監督が試合後のインタビューで直ぐにでも代表入りする選手、やや遅れて代表入りする選手、いずれも楽しみだと言った。私も同感だ。柿谷と豊田が入ってくる。斉藤や原口も期待したい。山口も合格だろう。緊急招聘されたFC東京の徳永も良かった。背の高い安定したサイドバックもほしい。

 本田と香川を軸に今回の東アジア組が絡んで素晴らしい日本代表が形成されることだろう。女子のお返し、オリンピックのリベンジと初優勝がかかった韓国戦は、私の言うもう一つのW杯だった。