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南米強国ウルグアイ戦2-4の完敗(連載第207回)

2013年8月15日

※南米イグアスの滝 コラム第203号で滝の一部を掲出したが、最近滝の上部の写真が出てきたので今回合成してみた。有名な悪魔の喉笛と言われる部分。
※南米イグアスの滝 コラム第203号で滝の一部を掲出したが、最近滝の上部の写真が出てきたので今回合成してみた。
有名な悪魔の喉笛と言われる部分。

南米ブラジルが誇るもの

 過去ブラジルには4度訪問したことがある。いずれも日系社会との親善交流が主たる旅行団の引率だった。単なる観光旅行とは違って、現地日系人との交流会や記念植樹、地方行政組織の訪問にサッカー場見学もセットした。南米が誇る世界一は何と言ってもイグアスの滝である。270個の滝で構成され総延長4m最大落差82mの大瀑布である。過去2度訪問したが、いずれも水量の衰えていない季節でラッキーだった。この滝はブラジルの他にアルゼンチンと国境を接触しているしパラグアイからもアプローチできる。

 ブラジルには、アマゾン川というこれまた世界に誇れる大河が流れている。そして、その上流地域に世界最大のパンタナール熱帯性大湿原がある。総面積20万平方キロである。

アマゾン流域とパンタナールには数多くの動植物が生育し(パンタナールでは1000種の鳥類、400種の魚類、300種の哺乳類に480種の爬虫類)時々テレビのアニマルチャンネルで紹介されているとおりである。私はいずれの地域にも行ったことがない。もともと奇怪な昆虫や爬虫類は苦手であるし、その地域を訪問する旅行団に恵まれなかった。

 念のため苦手なことはもう一つある。それは高所である。旅行団では時々高所に登ることがある。得てしてそれが旅行のメインである事が多い。私が一生涯忘れえない高所がいくつかある。それもついでに紹介しよう。まず今はなきニューヨークの世界貿易センタービルで、私は登り専用のエレベーターで昇り、外に出ずそのまま一人降りたことがあった。

 次はナイアガラのカナダ国境の橋、私は渡らずに手前のレストランで待機した。世界各地の尖塔には決して登らないし、つり橋は渡らない。明石大橋や瀬戸大橋は自分で運転して渡らない・・・・・・・。えぇまだまだあるぞ、グランドキャニオンの展望台は手前で充分だし、中国万里の長城は下から眺めるほうが絶景である。エッフェル塔のレストランは予約しない。あぁこのままでは書ききれないことが今判明した。よってここらで止める。

 しかし何と言ってもブラジルが世界に誇るナンバーワンは昭和の良さが漂う日系社会ではないだろうか。現在の日本国内で失っているものがサンパウロ日本人町には残っていた。それを紹介してこの節の締めとしたい。それは日の丸への愛着、家族愛、近所付き合い、演歌、美しい日本語、同朋への尊敬であったりする。私たち日本人の忘れてしまったものが地球の裏側に存在する。

ブラジルに次ぐサッカー強国ウルグアイ(W杯、コンフェデ杯ともにベスト4)

 先日もウルグアイの国について書き留めたが、ブラジルとアルゼンチンと大西洋に囲まれた人口337万人の小さな国だ。面積は日本のほぼ半分で首都はモンテビデオである。ブラジルから独立した白人系の国であり独立を手助けしたアルゼンチンの影響を受けている。1930年第一回ワールドカップの開催国となっていてその年に優勝もしている。

 東アジア選手権で選出された新生ニッポンのメンバーから私の一押しの二人、柿谷と豊田が代表に招集された。しかしながら結果は2-4の完敗に近い。個々のプレーでは決して日本も負けていなかった。しかし、ゴール前でのちょっとの違いが4失点に表れている。
このゲームが来年のブラジルW杯へのスタートラインと位置付けられている。そのラインに柿谷も豊田も参加した。しかし、彼らが本田、香川らと融合するには、今しばらくの時間が必要だ。

 柿谷は随所にファーストタッチの良さ、一瞬の判断力、振り向く速さを見せている。
豊田は後半途中からだけど、献身的な動きにゴール前での迫力ある攻撃力を表現できた。
しかし、それらすべてがウルグアイのツートップと比較すると遅れていることを認めざる得ない。

ウルグアイのツートップ劇場の始まり

 フォルランとスアレスのツートップは見事だった。彼らを見て仙台のお客様もさぞかし満足だろう。彼らに共通する言葉がある。強い。精度が高い。ワンチャンスあれば彼らはなんとかする。この言葉だ。ふたりで国際マッチでの得点がそれぞれ36ゴールずつ取っている。このチームは、ボールを奪った瞬間にふたりにボールが渡るような動きになっている。ふたりもまた、それを信じて前へ前へと走る。必ずふたりにボールが渡る。そしてシュートを打つのだ。本当に不思議にチームだ。

後半開始からの選手交代はしない

 ザッケローニ監督は、ケガや故障以外は、後半開始から選手を交代しない。私は大胆な選手交代を期待するタイプだ。それには理由があって、監督が唯一できる戦術の変更は選手交代だからである。私は察する。ハーフタイムのミーティングで戦術の確認や修正を指示する。それが機能するかどうかを見極める必要があって後半途中からの選手交代になるのだろう。

日本のチームと欧米のチームとの決定的な違い

 それは中途半端である。欧米のチームは中途半端なプレーを良しとしない。すべてが全力でプレーをする。ピンチの時はなおさら徹底的にプレーする。中途半端なクリアはしない。中途半端なタックルもない。自分を信じてプレーをする。しかし日本代表は時には中途半端なクリアやパスをして相手の罠にはまる。中途半端なシュートも多い。そしてそれを繰り返してしまう。

 日本では中途半端は別に悪ではないし、時には良しとした背景がある。狩猟民族は、全力をかけて獲物を追う。でないと獲物を逃してしまう。農耕民族は、季節を見極めるために途中で足踏みをして状況をチェックする。それが中途半端になる。長年続く大和民族のDNAなのだ。

 今日の試合を見て、南米の小国が全力で仕掛けてくる姿に新鮮さを感じた。最後に香川と本田のゴールシーンに敬意を表して次戦の強化試合を楽しみにしたい。観客45,800人にだった。