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ガーナ戦の収穫(連載第212回)

2013年9月11日

南アフリカ西部にあるクルーガーランド国立公園(日本の四国の広さに匹敵)のサビ川に隣接するSabiSabiという私設の保護区でサファリに行った時の写真。珍しい白サイの群れをこんな近くから撮影することができた。ジープに乗っていたが、正面に回り込むと危険と言われていた。横をすり抜けた瞬間にシャッターを切った。ラッキーな遭遇だった。


※南アフリカ西部にあるクルーガーランド国立公園(日本の四国の広さに匹敵)のサビ川に隣接するSabiSabiという私設の保護区でサファリに行った時の写真。珍しい白サイの群れをこんな近くから撮影することができた。ジープに乗っていたが、正面に回り込むと危険と言われていた。横をすり抜けた瞬間にシャッターを切った。ラッキーな遭遇だった。

ガーナと言う国

 ガーナ共和国は西アフリカに位置する英連邦に属した国だ。言語は英語となっている。人口2380万人で金、ダイヤモンドを産出しカカオ豆を収穫する。近年沖合から海底油田が発見され国際的に注目されている。私の渡航歴ではガーナに行ったことはない。

ガーナ戦の収穫

 前評判の高いチームから飛車角落ちの二軍チームの来日と言われていた。(前回のW杯でベスト8) 実際は評判どおり良いチームだった。日本代表は柿谷をトップに本田、香川、清武というベストの攻撃陣で臨んだ。スピードとワンタッチパスでつなぐ歯切れの良い連続攻撃だった。結果3-1で勝った。

 失点の多い現状では親善試合と言えど勝つことが一番の特効薬だ。このゲームの収穫は勝ったことだろう。それもチームの主軸が得点した。香川、本田、遠藤が得点したことだ。 しばらくは勝って自信をつけることが一番の強化策だろう。

 前半、立ち上がりから日本代表の切れのあるパスワークが光っていた。しかし、得点が取れない。こんな時は敗退するのがいつもの兆候だ。案の定、いつものパターンで先取点を取られた。それはチームが攻撃しているときに味方のミスパスから一気に攻められて、あっと言う間にシュートを打たれるパターンだ。今まで何度となく見てきた光景だ。このゲームもそうだった。しかし、いつもと違うのはこれ以上追加点を与えることはなかった。

 後半開始早々、香川のシュートで同点とした。前半、香川に良いパスが浮き球で来たが、彼はゴールを狙わずにヘッドで折り返している。テレビ解説者はシュートを選択しなかった彼に不服を唱える。実際は、角度がなくてシュートコースが見えず走りこんできた柿谷が目に入ったのだろう。決まらないときは、なぜシュートを打たなかったと責められる。 もし折り返して柿谷が決めていたら、その精度の高いパスワークを褒められるだろう。FWの因果な一瞬である。いずれにしても、彼に任せているのだ。だまって戦況を眺めておこう。

 後半、彼の右足からのシュートがガーナのGKの手をかすめてゴールネットを揺さぶった。 良いシュートだった。自信を取り戻すに十分なシュートだった。そして、本田、遠藤が続いた。本田のゴール前での迫力と遠藤の柔らかいキックから生まれた得点だった。

 ザック監督は、またも終盤でスリーバックを試している。実況アナウンサーがこれで8度目のスリーバックへの変更と言った。そして、未完成とも言った。ザックは、新戦力の選手ともう一つのシステムを完成させて、ブラジルへ向かおうとしているとはっきりと感じた。

ようやく見えてきた日本の核心たる戦術

 毎回、食入るようにゲームを見ていると各選手の調子の良さや監督の考えていることが推測できる。日本代表は主軸の選手がほぼ見えてきて、後は新戦力に誰を加えるかということだ。システムは4バックを基本に早いパスワークとサイド攻撃を重視して得点することだろう。その上、攻撃にはセットプレーのフリーキックが加わる。本田と遠藤のどちらかが蹴る。後は得点の精度をあげることだ。そのためには個々を磨き、出来限り同じメンバーでゲームを共有するしかない。

 そしてもう一つのオプションは負けているときや負傷者が出たときに全体を押し上げるためにスリーバックに変更することである。ザックは、このシナリオを使ってブラジル大会で高い位置を狙っている。しかし、彼は言わないがこの程度のシナリオではベスト8は難しいだろう。では、どうしたら優勝まで狙えるチームになることができるだろうか。その答えは伏せておきたい。ただ言えることは一歩一歩しか前進しないことだ。近い将来、びっくりする選手が現れることを期待するしかないだろうか。

FIFA会長の憂慮

 国際サッカー連盟のブラッター会長が2022年W杯カタール大会の設定がミスだったと述べた。夏季開催が高温で選手の健康問題が一番の心配事であると言われている。はっきりと憂慮した発言がこの時期にあった。FIFAは冬季に開催を移行したい考えだ。しかし、日本を含めて招致活動に負けた国では、再度の選考を模索していくだろう。

 日本は先日東京オリンピックの招致に成功した。その最たる理由は、安全に確実に実施できる施設と運営能力だ。サッカーでも同じことが言える。東京オリンピックで全面改装される新国立競技場がW杯決勝の舞台となる可能性が出てきたのだ。先週から今週にかけて良くも悪くも何かが動き始めている。来月のFIFA理事会でどのように判明するだろうか。