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真価を問われるベルギー戦(連載第224回)

2013年11月21日

オランダの写真。アムステルダム中央駅前 ここからベルギー戦の会場ボードワンスタジアムがあるブラッセルまでは鉄道で2時間程度


※オランダの写真。アムステルダム中央駅前 
ここからベルギー戦の会場ボードワンスタジアムがあるブラッセルまでは鉄道で2時間程度

ベルギー戦3-2で勝つ

 先日のオランダ戦で2-2のドローに終わった日本代表。二点ビハインドからのドロー、その上三点目も取る可能性が見えただけに残念な結果だった。

 今朝のベルギー戦が年内最後の強化試合。しかもアウエー戦だ。ベルギーにとってはホームでしかも先日のコロンビア戦に0-2で負けている。二試合続けてホームでの敗退はW杯予選無敗の赤い悪魔ベルギーにとっては屈辱だろう。申し分ない前置きで満員の観衆の中行われた。

 ザック監督は、先日のゲームでの先発から今日の先発メンバーを代えて、またしても違う組み合わせで試してきた。DFには両サイドに酒井、センターに吉田と森重というフレッシュコンビ。ボランチは先日に引き続き長谷部と山口、前線は柿谷をトップに清武、本田、香川で二列目を形成した。日本が勝つためには、全員がリスクを恐れないで前への意識と流れる早いワンタッチパスによる崩し、そしてきっちりとシュートすることだろう。

 しかし、又してもつまらない失点でベルギーに先取点を取られる。190センチ級の大柄なベルギー、特にルカク、ミララというプレミアクラスに対抗して山口、吉田、両酒井に森重が抑える。昔と違うのは彼らのほとんどが欧州で戦っているから普段から体格の差異には対抗している。

 日本は速いリスタートから柿谷のヘッドで同点にする。待望の柿谷の得点だった。彼はオランダ戦で決定的なシュートを外している。あのことは一生涯忘れないと言っていた。柿谷は開始早々積極的にシュートを打った。ザック監督はオランダ戦で得点した大迫を使わずに柿谷を先発にしている。 柿谷は得点後喜びを抑えて、ゴールインしたボールを自ら手に取って引き戻る。この姿に彼がまだまだ満足していないことが見て取れる。彼は次の得点も俺が取ると言わんばかりだ。

後半二得点で勝利をつかむ

 後半から遠藤、岡崎が投入された。遠藤の持つ独特の間合いが非常に効いている。遠藤のパスから中央の本田へ、そして本田の右足からのシュートで逆転ゴールが決まる。ゲームはベルギーの力で押してくる戦術に冷静で自分たちのタフな走りとパスサッカーで対抗する。体力と違った意味でのフィジカルの強さを全面にしたサッカーだ。日本の強いパスサッカーが維持できている。

 この後、待望の岡崎のゴールで三点目を取った日本が有利に展開することになる。良く考えれば日本の得点は、そのほとんどがダイレクトシュートである。相手に防御の態勢を与えないダイレクトパスの最終形である。終盤にベルギーに高さで二点目を取られてしまうが、日本待望の勝利を手中にしてタイムアップを迎えた。岡崎の三点目が効いていた。

日本の勝利の要因は・・

 日本は、終盤今野を投入した時点でスリーバックを試すとみられたが、結果フォーバックのままだった。あえてスリーバックを採用しなかった。

 今回の強豪との二連戦は、アウエーの戦いだった。前回のセルビア、ベラルーシと違って何かを起こすにはリスキーな戦い方を思い切ってやろうと全員が前に向かったことだろう。攻撃では多くの人が積極的に参加することによって、高い位置でボールを奪取できた。 そして早いパスワークとドリブルによる中央突破が活路を切り開いた。いままでのサイドのみの攻撃では糞づまりになってしまう。

 守備でも思い切ったファーストアタックをためらわずにやった。今までの中途半端はなかった。しかし、つまらないプレーでの失点が続いた。リスキーなプレーとつまらないプレーは紙一重である。今回は、それを覆うほどの得点をすることが出来た。

 監督のスタメン起用についても功を奏した。多くの選手がトライすることで競争心が見える。オランダ戦の大迫の一得点一アシストがベルギー戦の柿谷の一得点一アシストにつながった。中盤底の長谷部と山口蛍も機能したと評価したい。いろんな組み合わせが日本を強くする。これがザック監督の頭にあった予定表だった。

 最後に遠藤の後半起用が良かった。遠藤の体力温存と前半ベンチから見る相手チームの分析が後半の遠藤のパスワークに生かされる。オランダ戦ではロングパスを多用した、ベルギー戦では早い中央へのパスが生きた。熟練工の見たベンチからの風景が日本を強くした。しかし何と言っても途中から出ても遠藤はきっちりと機能する。まるでサッカー界の人間国宝だ。

W杯ヨーロッパプレーオフ速報

 プレーオフ第二戦が終わった。これでブラジル大会への出場国が決まった。フランスが奇跡の逆転勝利(二試合合計)でウクライナを退けた。( )内は一戦目の得点。

フランス3-0ウクライナ(0-2)
ポルトガル3-2スウェーデン(1-0)
クロアチア2-0アイスランド(0-0)
ギリシャ1-1ルーマニア(3-1)
結果、フランス、ポルトガル、クロアチア、ギリシャが最後の4枠に入る。

さぁいよいよ抽選会だ。