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ゴールラインテクノロジーGLT (連載第231号)

2013年12月27日

2002年国立競技場でのPKの場面、キッカーは中村俊輔。

※2002年国立競技場でのPKの場面、キッカーは中村俊輔。

誤審判定に機器の導入

 私がたびたび取り上げているのは、審判の誤審問題である。その大半がオフサイドの微妙な判定から、ボールがゴールインしたかなど多岐にわたる。先日もシュートしたボールが外にはずれたがゴールネットの裂け目から中に潜り込んでゴールインと錯覚した判定があった。

 前回のワールドカップにおいても、英独首脳が見守るTV画面でシュートしたボールがバーに弾き飛ばされて地面に落ちた判定がゴールラインの内か外かで騒然となった。主審の判定は外であったが、何度もリプレーされたビデオ映像では確実にゴール内の地面に弾んでいた。なんとも後味の悪いゲームだった。一点の重みは重要だ。これでゲームの流れは変わる。

 今まではこのような誤審はしかたないこととして、それを含めてサッカーだと言ってきた。すべては人間である審判に委ねることとなっていた。機械に頼るとゲームが途切れてしまう。その時点でゲームを壊しかねない。観客の暴動のきっかけにもつながる。人間の裁定ならば、最後は従うだろう。そのために審判には権威が与えられてきた。

 以前仕事で柔道の大会の運営業務を体験した。対戦の組み合わせはコンピューターが自動で行う。しかし最後まで裏方がコンピューターを操作していると言い張る人も多かった。

 来年のW杯を控えてFIFAは誤審問題、特にゴールインか否かの問題に決着をつける時期に来ていた。そして、いくつかの経験を積み重ねて機器の導入に踏み切っている。

GLTの現在は

 これまで検討されたゴールラインテクノロジーを見てみよう。時期の前後はさておき、以下の4つの方法がある。

 この4番目がコンフェデで採用され、その評価によってブラジルワールドカップでも採用されるとのことだ。いずれも費用が数千万かかるが、世界最高峰のスポーツイベントであるならば仕方ないことだろう。ビデオ判定を人間の視覚で再考するのでなく、多方面からのカメラ映像を瞬時に4D化して位置を判定し、その結果を瞬時に審判に知らせるのである。ゴールインか否かの問題はこれで解決するだろう。また近い将来オフサイドをカメラ判定できる技術も可能となるだろう。

 サッカーは毎年進化している。しかしながら人間の目は進化どころか退化の一途をたどっている。しかし、これはあくまで審判の補佐的処置であって最終判断は審判が決定する。 このことは過去から将来も変わらないのである。