京都新聞社TOP

ブラジルW杯事情(連載第235回)

2014年1月23日

ボロブドゥール寺院(世界遺産)

※インドネシアジャワ中部にある世界最大クラスの仏教遺跡ボロブドゥール寺院(世界遺産)。高さ40メートル。
一片の長さ119メートルで9層からなる。8世紀の建造物。州都ジョグジャカルタから一時間余りジャングルに忽然とあらわれるピラミッドのような大スツーパの上に多くのスツーパが連座している。中に仏像が安置されている。

ブラジル競技場建設

 ワールドカップでの新設競技場は多額の建築費と周辺のインフラ整備が必要となる。当たり前のことであるが招致活動でオーバー提案をした結果、約束通りの計画が困難になるケースがある。まさにブラジル大会でこの局面が現実視されてきた。

 大会組織委員会とFIFAは様々な契約を締結するが、それに沿ってスタジアムやメディアセンター等の建設状況も随時チェックがはいる。サンパウロ時事通信が21日付で伝えているが、クリチーバの競技場建設が危機的状況と言うことだ。未だ観客席も芝もない状況とFIFAのバルク事務局長談で伝えている。来る2月18日の出場国関係者会議通称ワークショップまでに一定程度の進捗が見られない時は会場変更を示唆している。

 会場は多数あるが、それぞれの使用は組み合わせスケジュールによって決定され、キャンプ地や移動手段にも大いに関わっている。その変更期限が2月18日ということだ。これ以降であると対戦チームに迷惑が掛かってしまうし、観客の宿泊やチケット販売にも支障となる。FIFAが期限付きで警告する理由である。

 またある程度真剣に示唆するほどブラジルの建築事情は良くないのであろう。昨年スタジアムの可動式天井の設置をあきらめたばかりだった。世紀の大会ワールドカップを主催する上で国民性や政治事情を言っている時期でないことは確かだ。大会はテロや天変などの不測の事態に対応するために予備的な競技場が選定される。クリチーバの競技場が不測の事態になれば、予備的な競技場を使用するか大会スケジュールを変更することになろう。

 問題はクリチーバの他にもあるようだ。大都市サンパウロの競技場建設も黄信号だという。毎月、FIFAはこれらの競技場建設を監視していくことになる。

新国立競技場

 東京に建設される新国立競技場が予算的に膨らむことや周辺の景観を懸念して規模を縮小していくそうだ。ご承知のことだろう。私は何度も国立でサッカー観戦をした。いつも思うことがある。正面側の反対側、つまりバックスタンドで観戦しているとメインスタンドの中段に大きな空白地帯が見える。観客席でいうと数百席あるスペースだ。これは良く見るとスタンドに作られた記者席である。テーブルとイスが組み合わさった専用席であるが、これらの席が満席になったことは少ないと思う。今度の新国立では無駄を省いてシンブルで観客席を多くした実利的な施設にしてほしいと願う限りである。

 ACミラン本田の出場ゲームが増えている。シンブルにパスを回していく、自分たちのリズムをつかむ。そしてポゼッションを増やしていくことでミランの有利なゲームを作っていく。それが勝利への近道であるということだろう。ただ、毎回ショートパスで叩くサッカーでは本田の加入した意味は薄れていく。時々、力強いドリブルで中央突破は必要だろう。ゴールも必要だ。

 観客の要求は留まることを知らない。本田に要求されていることは、観客をびっくりさせる意外性のあるプレーである。本田には冷静さと歓喜の間にある奇妙な空気の流れを感じ取ってほしいものだ。