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W杯ベスト8への道 〈前篇〉(連載第236号)

2014年2月3日

ワールドカップは大観衆が酔いしれる。観客は90分間大声を上げて立ち尽くす。
(フランス大会から)

※ワールドカップは大観衆が酔いしれる。
観客は90分間大声を上げて立ち尽くす。(フランス大会から)

W杯ベスト8への道

 日本代表のワールドカップ本選出場は5大会連続となる。最高順位はベスト16である。前回の南ア大会と2002年の日韓大会の二度ある。つまり、ファーストラウンドの一次リーグを二位以内に確保して決勝トーナメントに進出するとベスト16となる。

 次のラウンドは各グループ2位以内のチームからなるトーナメントである。その一回戦で敗退するとベスト16で終わる。この初戦に勝つとベスト8である。過去日本代表はこのベスト8に手の届くところで敗退している。

 2002年の日韓大会ではトルコに1-0で敗退し、前回はパラグアイに0-0のドローでPK戦の末に敗退した。いずれも僅差だった。

 今大会は、無事一次ラウンドを突破して二次ラウンドとなる決勝トーナメントの初戦をクリアできるかを私なりに予想してみた。

その前に・・・

 以前にも取り上げたが今大会からGLTが決行される。スタジアムの上空から超高速度カメラでゴールマウスを追う。ボールがゴールインしたら映像を4次元で解析し、瞬時に主審の腕時計に知らせるシステムだ。これで、得点シーンの誤審は防げることになった。

 そして、もうひとつ新兵器が使用される。それは、白線スプレーだ。フリーキックなどの時にボールの位置や壁になる選手が所定の位置からズルズルと狭めてくるシーンを良く見る。その都度相手方からのクレームでプレーを中断して元に戻すことになる。場合によれば何度も繰り返されてタイムロスとなる。それ以上に主審はボールや壁の位置と自分のベストな位置とを往復することになる。体力的にも精神的にも消耗してしまう。

 約一分で消える白線スプレーは、ボールや壁の位置に直接スプレーして白線や円を書く。小さなスプレー缶を腰に付けてジャッジする。主審は、GLTの腕時計にスプレー缶を腰につけ、副審に連絡するイヤホンとスピーカーを付けて走り回ることになる。

 その他にホイッスルと胸にFIFAのワッペンを貼りポケットにはカード類と記録用のノート、鉛筆が必要だ。予備の時計も必要だし、コイントス用のコインも必要だ。主審の七つ道具も大きく様変わりしたもんだ。

ワールドカップ一次グループ

 組み合わせドロー直後は日本の対戦相手に対する傾向と対策が論じられてきたが最近は聞かなくなった。今は欧州大陸の各国リーグ戦での日本戦士の動向を伝える報道が多い。

 しばらくして各国リーグが終了する時点でワールドカップモードに切り替わると様変わりしてくる。それまでに私案のところを述べておこうと思っている。

 まずは、いくつかの事項を整理すると・・・。

 以上公式発表された情報だ。まだ、W杯日本代表23人は決定されていない。また、キャンプ地への出発日も決まっていない。

日本代表の戦術を再確認する

 昨年の後半からの戦術チェックをしてみると、フォーメーションは4・2・3・1のシステムを取っている。後半負けている場合は、3バックに変更して攻撃を厚くする手法を取っているがさほど機能していない。その証拠にシステムを変更して勝利したためしはない。

 守備的には4人のDFによるラインディフェンスである。4人が一列に並んで最終ラインを築いている。最終ラインの前に2人のボランチを配置する。ボランチはバイタルエリア、SBの裏などの守備を担うが、相手の攻撃を遅らせる守備的なポジションを取る。

 攻撃的には、ワントップのFWに対してトップ下と左右に攻撃的MFを配置して崩す。時にはボランチの一人がここに食い込んできて攻撃に厚みをつける。また、左右のサイドバックが前線まで攻撃参加することによってサイドをえぐるクロスを上げる。この攻撃は守備を固める現代サッカーに非常に有効である。

 ここで大切なことは各選手間の距離感である。遠からず近からずの距離を保つことである。そして、三人が常に三角形を形成することはサッカーの初歩でもある。この距離はダイレクトパスが通る距離を指す。つまり三人がだいだい5~10メートル以内であろう。これは2002年W杯での日本代表の戦術では見られない。

 そして、最大の戦術は早いパスワークと鋭い飛び込みである。以上が日本代表の基本であろう。ここに来て、鳴り物入りで入団した本田の調子がイマイチであるし、香川の出番がないことも心配である。彼らは日本代表の核である。試合経験を失うことが日本代表のコンデションに響くからだ。

 次回は、日本代表の弱点を考えてみよう。相手チームに対する戦術論も展開しようと思う。