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W杯ベスト8への道 〈中篇〉(連載第237回)

2014年2月10日

ワールドカップ日韓大会。埼玉スタジアムでの準決勝タイムアップの瞬間。

※ワールドカップ日韓大会。埼玉スタジアムでの準決勝タイムアップの瞬間。

ソチ冬季オリンピック開幕

 いきなり女子モーグルの伊藤みき選手がケガで棄権した。地元東近江でテレビの前に集まったサポーター達はさぞかし残念だろう。私がいつもトレーニングに行く地元のジムには、がんばれ伊藤みきのポスターがずいぶん前から貼ってあった。

W杯キャンプ地が出揃った

 7日の新聞に全32チームのベースキャンプ地が出揃ったとあった。すべてのチームがベースキャンプ地制をとる。そして南東部に24チームが集中している。日本のキャンプ地イトウ市のあるサンパウロ州は15チームとなった。また、同じイトウ市にはロシアチームもキャンプを張る。

 ロシアとは2002年の日韓大会で対戦し日本が勝っている。きっと練習試合の相手同士になることだろう。対戦チームのコロンビアやコートジュボアールも車で一時間程度のところにキャンプを張る。お互い偵察合戦になることだろう。

 そして、事前の強化試合をコスタリカと組むようだ。対戦場所はアメリカのマイアミらしい。ということは日本の準備キャンプ地はアメリカになりそうだ。アメリカならブラジルとの時差はほとんどない。また気候も良いし、次のベースキャンプ地へのフライトも頻繁にある。移動、環境、対戦相手とそろった形である。

日本代表ベスト8への道  日本代表の弱点とは・・

 それは精神面と戦術面とあって、精神面で言うとかつて紹介したザッケローニ監督の
「日本人は短期間で自分たちの持ち味を生かす良いグループを築き上げることができる。
しかし反面、チームとしての思いが強すぎるため勝てないときは全員で落ち込む度合いが強い。」という事だ。日本選手は団結心が強く、チームとしてのまとまりも他の国の選手よりはるかに固い。しかし、一旦マイナス面に働くとチーム全体で沈んでしまう。

 なんとかして常に上昇気流に乗せることが大切である。一戦ごとに引きずらないことである。そのためには初戦が大変重要になってくる。キーは初戦のコートジボアールに勝つことである。

 私が仕事をした日韓大会の時に約40日間に十数チームを目の当たりにした。一番印象に残ったチームは優勝チームのブラジルだった。彼らは、いつでもどこでもリラックスするすべを身に付けていた。ブラジルチームはどこでも自分たちのテリトリーであるような振る舞いをした。これは決して利己的で無法者な集団であると言っているのではない。彼らは人なつこく、愛想が良く、周囲から愛されていた。

 日本人元来デリケートだ。それはチームにとって同様である。日本民族は地域の様々な神に守られながら普遍的で規則正しい生活を続けてきた。そのためには和が大変重要であった。小さい時から礼節と和を教えられて育ってきた。しかし、この性格は世界から見れば少数体験である。W杯の世界では、まれにみる少数民族的なサッカーで勝ち上がってきた。今回もW杯で自分たちと真逆のサッカーと対戦するのだ。精神的に絶対的タフでなければならない。

 次は戦術面で言うと、大抵の失点はだいだい以下の三パターンである。

 まずは、日本が攻撃していた直後の守備の問題である。相手の反撃でスピードとフィジカルで簡単に失点しまうことがある。二つ目に自陣での不用意な横パスやミスパスを取られてしまって失点を食らう。味方を頼りすぎて安易な判断をしてしまう。三つ目はセットプレーである。背の高いフィジカルの強い相手に得点を許してしまう。以上の三点である。

 しかしながら、私はパスで崩されて完全にギブアップした失点を見た記憶がない。このことは大変重要であると思っている。これらの欠点を少なくすることで初戦突破は現実的であると信じている。

 最後にソチオリンピックで日本選手のがんばりが連日テレビ画面から流れている。どの大会でも精神的・肉体的タフな人が最後に頂点にたどり着くことだろう。