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J開幕 3.7万人の視線の先(連載第241回)

2014年3月3日

3月1日の開幕戦 長居競技場のスタンド風景 フォルランの紹介に歓喜極まる
※3月1日の開幕戦 長居競技場のスタンド風景 フォルランの紹介に歓喜極まる

※スタジアムは3.7万人の大観衆で埋まる。試合前のセレモニーにワクワクする。
※スタジアムは3.7万人の大観衆で埋まる。試合前のセレモニーにワクワクする。

Jリーグ開幕戦に酔う

 3月1日の長居競技場 セレッソ大阪対サンフレッチェ広島の開幕戦を観戦した。スタジアム観戦は何度体験しても新鮮で開始前のドキドキ感がたまらない。スタジアムを埋めた3.7万人の視線の先は一直線に新加入した大物フォルランに集中していた。ポポロビッチ監督は地元開幕戦に彼を先発起用させる粋な計らいをしてくれた。

 私の目的は、まずはフォルランを見る事。そして、次に日本代表FWの柿谷、MF山口、新加入の長谷川アーリア、オーストラリアのニコルスを見ることだった。その上に広島の佐藤の上がり具合の確認をしたかった。ゲームはご承知のとおり0-1で広島の勝利に終わった。ファルランも柿谷も不発だった。

 私の分析はこうだ。一言でいうと、広島の守備が良かった。広島は左右のサイドの守りが固く、セレッソのサイド攻撃を一度も許さなかった。その証拠に前半はセレッソのコーナーキックが一度もなかった。フォルラン・柿谷のコンビも何度か好機を演出したが決定的とは言えないものだった。セレッソはサイド攻撃を早くする工夫と中央突破するエネルギーを必要としていたが、いずれも実行する前に広島に取られていた。わずかなチャンスをものにした広島が逃げ切った。

フォルランの調子は・・

※背番号10のフォルランと8番の柿谷 ツートップのコンビネーションが始まった。
※背番号10のフォルランと8番の柿谷 ツートップのコンビネーションが始まった。

※フォルランのフリーキックの瞬間。この日彼のFKはすべて不発に終わった。
※フォルランのフリーキックの瞬間。この日彼のFKはすべて不発に終わった。

 これまた一言でいうとまあまあだ。彼は時折遠目からシュートを放ったがゴールマウスに飛ぶことはなかった。しかし、キックするタイミングは合っていた。そこがスーパースター所以だろう。私は彼の中央突破を期待していた。彼は無難なくボールを散らしていた。まるでACミランの本田の様だった。体のキレは6分程度だろうか、完全なパフォーマンスにはまだ遠かった。

 前半の終盤に広島の攻撃が一方的になった時間帯があった。彼は奪ったボールをキープすることなく、思いっきり広島サイドで蹴りこんでいった。つまりクリアをしたのだ。 私は、そのクリアのタイミングが見事であると直感した。セレッソは高いクリアボールの間にDFを押し上げて立て直しを図れた訳だ。彼の試合中の戦術眼はすばらしかった。彼がゲームを支配したらセレッソの快進撃は始まるだろう。そして、周りの選手が彼に遠慮なく動き出したらもっと滑らかなチーム攻撃が出来るだろう。

勝利の広島は・・

 広島は強かった。チームとして完成されている。先日のスーパーカップやACLの一戦を経験して大阪入りしてきた。守備が良くわずかなチャンスをチームとしてものにした。広島の三連覇も可能とさえ言える一戦だった。

 私は広島の応援に目を見張った。言うまでもなく大挙してきた広島からの応援団。その応援合戦が怒涛のように響き渡る。リズムも力強さもJ随一かもしれない。今までは浦和レッズや鹿島アントラーズの応援が一番と思っていたが広島もすばらしかった。その上、一般席に隠れ広島ファンを多数みることになった。在阪する広島出身者が多いのだろうか。
サッカー文化圏広島の恐るべきパワーを見た気がした。