京都新聞社TOP

無観客試合 (連載第245回)

2014年3月24日

ACミラン本拠地 サンシーロスタジアム  無観客試合の状況と同じ雰囲気
※ACミラン本拠地 サンシーロスタジアム  無観客試合の状況と同じ雰囲気

マスメディアの対応

 浦和の差別的横断幕事件の制裁はこの日の無観客試合の開催で大きな節目を迎えた。私はその対応のまずさについて現在の日本社会を反映していると考える。詳しくは後述とするが事件の報道についてとても気にかかっていた。マスメディアはどのようにコメントするか興味津々だった。もちろん差別とサッカーの関係をどう整理するのだろうか、大変重い課題である。もうスポーツ報道の域では語れない社会部の担当だろうか・・・。

 私の知る限りでは多くの朝刊で淡々と試合会場の様子と選手・監督のコメントを載せているに留まっている。選手はその無機質な雰囲気とサポーターの声援を比較して多くのファンの必要性を説いている。また、未来志向で今日の体験を生かしていこうと言う選手もいる。しかし、根本的な差別とサッカーに関わる現象を解説する知識人のコメントが見当たらない。触れたくないところに原点があるし、それを伝えることが予防に繋がるのである。浦和レッズは二億円近い損失と名誉を失うことになった。その代償は大きい。このゲームが一過性に終わらないことを祈っている。

 私にはいくつかの疑問がある。なぜ事件は食い止められなかったのか・・。球団はその掲示を知りながらなぜ放置していたのだろうか・・。そこには現代の日本社会における事なかれ主義が見える。突き出て仕事をこなし、何かあれば責任は取る気丈な人間は生まれてこない。問題はマニュアルに沿って対応するしかない。マニュアルがなければ成す術は無い。緊急連絡体制表はあってもそれを回すためのマニュアルが必要になってくる。発見者は上の人に報告すれば良いだけだ。後は自分の責任ではない。聞いた上の人は次の上司に伝えるだけだ。その人が判断できなかったり不在であれば放置されてしまう。

 これは、あの時の浦和レッズを指して言っているのではない。もちろん一般論である。あの時、これはまずいと思って剥ぎ取る人はいなかったことが残念である。

週末サッカー

 セレッソのフォルラン、ガンバの遠藤が今リーグ初得点を記録した。川崎の大久保が二得点とキレキレだ。W杯の召集も気にかかる得点感覚だ。

 プレミアリーグマンUの香川が久々に出場した。ゴール左45度からの左足シュートはGKに阻まれた。あの角度からゴールを入れるのはゴール左上の角に早いシュートを蹴ることだけだ。ブラジルのネイマールがスペイン戦で得点したシーンが参考だろう。同僚のルーニーがロングキックでGKの頭上を越して得点した。今週随一のシュートだ。

 マインツの岡崎の調子はいい。でも得点がなくて負けている。セリエAの長友も同じように負けている。

 BS放送でW杯のヒーローを徹底的に科学的分析したドキュメント仕立ての放映があった。
 なるほどと思う内容ですばらしかった。次回取り上げてみたいと思っている。