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ふたつのダービーマッチ (連載第250回)

2014年5月5日

2002年W杯日韓大会で日本代表が移動に使った特別仕様機。選手は直接タラップに横付けされた特別バスから搭乗した。数千人のサポーターが滑走路の外壁のフェンスに連なる。離陸時に機内の小窓から何千の手を振る光景が見えた。なんと日本代表の励みになったことだろう。
※2002年W杯日韓大会で日本代表が移動に使った特別仕様機。選手は直接タラップに横付けされた特別バスから搭乗した。
数千人のサポーターが滑走路の外壁のフェンスに連なる。離陸時に機内の小窓から何千の手を振る光景が見えた。
なんと日本代表の励みになったことだろう。

ふたつのダービーマッチのひとつが終わった

 最初は日本時間の未明に行われたミラノダービーがある。ダービーマッチは同じ町、地域に二つの代表するチームが存在していてそのチーム同士が公式に対戦するゲームを指す。イタリアセリエAのミラノには屈指の二チームが存在していて両者ともミラノ郊外のサンシーロのスタジアムをホームとしている。別の言い方をすれば大阪長居スタジアムを本拠とする地元チーム、ガンバ大阪とセレッソ大阪の二チームが対戦するのである。

 しかし、同じ本拠地でも違うことがある。それはミランのホームの時はサンシーロと呼びインテルホームの時はジュゼッペ・メアッツァと呼ぶ。本来サンシーロはミランのものだった。しかし、インテルは市心にあったスタジアムの老朽化に伴いサンシーロに同居し、誰もが知る名プレーヤーの名前を取ってジュゼッペ・メアッツァとしたのである。

 またしても大阪で例えるならばセレッソの時は長居スタジアムと呼びガンバの時は初代監督で名ストライカー釜本さんの名前を取って釜本スタジアムと呼んでいることになる。これはスタジアムの命名権と違って名誉ある生い立ちがある。私の言うサッカー文化である。

 結果はミランのデヨングの得点で1-0でインテルを下した。しかし大変残念なことにミランの本田の出場はなかった。インテルの長友はフルに出場した。今も本田の無念が伝わってくる。試合後は無人のサンシーロで練習に励む本田の姿があったと言う。彼はどの程度のプレーなのだろうか、ミランでは無用の長物になってしまったのか、ただ調子が悪いだけなのか、大変心配になっている。

もう一つの注目するダービーマッチとは

 今シーズンのヨーロッパチャンピオンズリーグの決勝はスペインマドリッドに本拠を置く二チームに決定した。レアル・マドリード対アトレチコ・マドリードである。例年常連のチーム、リバプールやバイエルンを破って決勝にコマを進めた。決勝戦は5月24日にポルトガルのリスボンで行う。

 これも大阪の二チームで例えると、ACLアジアチャンピオンズリーグの決勝戦をガンバ大阪とセレッソ大阪が隣国のソウルで実施するということなのだ。もともと決勝戦は一発ゲームでチケット発売やスケジュールの都合で早くから決戦の地が決まっている。今年は図らずも隣国のマドリード同士の対戦となった。陸地続きながら不便な陸路をバスで移動する両チームのサポーターの隊列を想像する。

 ポルトガルのリスボンは大変な喧騒と熱気でむせ返るだろう。もちろんクリスチーナ・ロナウド(ポルトガル人)の他にも何人もポルトガル人が両チームに在籍する。ブラジルW杯開幕直前の大盛り上がりの一夜だろう。これまた日本では理解しがたいサッカー文化なのだ。

 ヨーロッパチャンピオンズリーグやACLアジアチャンピオンズリーグの参加枠は各国のトップリーグの上位チームに振り分けられる。しかしながら自国のトップリーグを消化しながら国際移動を伴うチャンピオンズリーグを勝ち抜くためには一流プレーヤーの他に一流クラブとしての機能が絶対的に必要になってくる。選手も金も豊富でなくてはならない。チャーター機や専用バスを保有することも必要になってくる。クラブハウスや専用グランドの設備も問われるだろう。

 ちなみにマドリードの二チームは1902年創立のレアル・マドリードでレアルとは英語のロイヤル、つまり王様を意味している。このチームは1908年王様の称号を与えられたわけだ。もうひとつのアトレチコ・マドリード。アトレチコは英語のアスレチックを意味して、スポーツ競技である。これまた1903年創立である。クラブ創設後初の決勝進出となる。

 決戦の場所はポルトガルのリスボンと言ったが、ここにも名スタジアムがある。ダ・ルス競技場である。ルスは地名だが、光を表す意味を持っている。65000人の収容で2004年に母国のユーロ優勝を後押しした場所でもある。ちなみに優勝チームがトヨタカップでお馴染みのクラブWカップに出場権を得ることになる。今年も二年連続でモロッコ開催となっている。

サッカーあれこれ気にかかる

 W杯ブラジル大会における諸施設の建設が間に合わないニュースが届いている。しかしながら競技場の使用は間に合うとの見解が示されてほっとした。私の町にも建築ラッシュで何件も新築の家が建っている。ほとんどの家が庭や外構は手付かずだ。母屋が完成したら入居する人も多い。後はゆっくりと予算を見ながら作っていくのである。ブラジルも同じことだろう。スタジアムの周辺の道路や空港施設の工事はW杯以後が本格的だろう。最低限サッカーは選手と審判がいれば成立する。

 同じブラジルのニュースで気がかりなことがある。サンパウロ州周辺でデング熱が流行している。日本のキャンプ地はサンパウロ州だ。蚊を媒介にする伝染病でこの地域では史上最悪の感染者が出ているらしい。

 女子W杯予選を兼ねたアジアカップが国際マッチデーに組み込まれていない。よって海外クラブに多数在籍しているなでしこジャパンにとっては100%のメンバー構成が出来ずにいる。私の一押しの猶本が初選出されているがDFの要の熊谷や近賀などが召集できないらしい。少し心配している。

 今節のJでセレッソの柿谷がリーグ初得点をマークした。その上、フォルランが決勝の得点を記録している。待ちに待った得点だ。周りからはあせる必要はないとフォローされていたがここ一番でゴールが取れてほっとした。

 それにしてもガンバが低迷している。またしても降格圏に下がってしまった。横浜Mやガンバ大阪などの名門が低迷している。J2では湘南がトップを走っている。サンガもようやく勝った。現在8位である。そろそろエンジン上げないと忘れ去られていくよ。

 最後に亀岡のスタジアム構想に世界自然保護基金が待ったをかけた。例の希少生物の件である。サンガの調子も悪いしあまり感心しない。冷静になって見直すことも上昇気流に乗れる糸口となるのでは、と独り言を言ってしまう。