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開幕戦ブラジル対クロアチア (連載第260回)

2014年6月13日

かつて日本を苦しめた元クロアチア代表。偶然ザクレブのホテルで出会った。
※かつて日本を苦しめた元クロアチア代表。偶然ザクレブのホテルで出会った。

イグアスの滝ブラジル側

早朝のイパネマ海岸

コルゴバードの丘からの眺望
※イグアスの滝ブラジル側(上段)、早朝のイパネマ海岸(中段)、コルゴバードの丘からの眺望(下段)

開幕戦の熱気・・うぅすばらし----い。

 今朝開幕戦のブラジル対クロアチア戦が終わった。何よりも無事に終わったことが一番と評価したい。いろいろあったサンパウロアリーナも満員の観衆で埋まった。心配だったスタンドも何もなく機能した。途中にバックスタンドの照明が落ちたが特段の支障もなく終了した。日本人トリオの審判団も無難なジャッジだった。初イエローカードがネイマールだった。初PKもあった。初白線スプレーもあった。今大会のジャッジの基本が示された。

 そして、何よりもブラジルが3-1で勝利したことだった。その上。期待の星ネイマールが二得点と活躍したのだ。若いオスカルとネイマールの活躍に国民は酔いしれた。しかし、決してクロアチアが悪かったわけではない。球際が強く、高さもあった。その上ボールコントロール。ブラジル選手を上回るテクニックさえ随所に見せた。前線のオリッチやコバチッチの攻撃は迫力があった。立ち上がりは初シュートを含めてクロアチアが優勢だった。このまま押し切るかとも思えた。

 しかし、ブラジルはネイマールのゴールで同点とした後、徐々に安定していった。西村主審に抗議するブラジルの名匠スコラーリ監督の眼力はすごいものがあった。怖さがあった。選手を奮い立たせた張本人だった。ハーフタイムのロッカールームの会話が聞けたらどんなにすごい事になっていただろうか。

 気の付いた点も多くあった。クロアチアのGKプレティコサは良かった。結果三点取られているが、その点は彼のせいではなかった。随所に安定感があった。ただこのゲームは異質で不運だった。

 ブラジルの不安はGKとDFだった。特にクロアチアの高さに弱さを露呈している。GKのジュリオセザールもセレソンのゴールマウスを守るには荷が重い。今一度安定感がほしいところだ。ネイマール、フッキ、フレッジともに100%ではなかった。そんな状態でもブラジルは勝ちきった。このチームの前途は明るいとは言えない。多難だ。その中でネイマールやオスカルがラッキーボーイとして名を残せば勝ち進むことが可能だろう。これからの一か月間ありとあらゆるプレッシャーが彼らを襲う。自分に勝つための戦いが続くだろう。

 日本人審判団トリオも今は無事に終わったことにホット一息ついているだろう。そしてマッチレポートを記入して、宿舎に戻ってビデオを見ての反省会が始まるだろう。2002年の日韓大会のイタリア人レフリーのコリーナさんを思い起こした。レフリーは弧高の人だ。西村さんも同様だろう。サッカーは選手が主役。日本人のレフリーには日本戦の笛は吹けない。日本が勝ち進むことが何よりだろう。そしたら自分は早く帰れる。これは西村さんの言葉らしい。心の中に芯の日本人が生きるウイットに富む言葉だ。

 次のマッチは日本対コートジュボアールだ。いや待てよ、その前にスペイン対オランダ戦そしてイングランド対イタリア戦が待っている。大変な週末になってきた。