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負けられないギリシャ戦だったが (連載第263回)

2014年6月20日

ギリシャアテネ市内のゼウスの神殿と遠方のパルテノン神殿

※ギリシャアテネ市内のゼウスの神殿と遠方のパルテノン神殿

お互いに負けられない一戦

 ギリシャのカツラニスが二枚目のイエローカードで退場した時は誰がスコアレスドローで分けると想像しただろうか。誰もが日本の勝利を信じて口元を緩めたことだろう。しかし、実際は攻めても攻めてもギリシャのゴール中央でしつかりブロックをされてしまった。その上、きわどいシュートすらほとんどない。何度かあったペナルティエリアやや外からのフリーキックも威力のないものだった。

 一人少ないギリシャの方が果敢に日本のゴールに襲い掛かるシーンが見られたし、ゴール前の突っ込みは迫力があった。ただ決定力が不足していたからラッキーだった。ギリシャが全員そろっていてアーリークロスの浮き球を放り込まれていたら、きっと失点していただろう。

 後半30分過ぎからギリシャは引き分け狙いで時間をかけてきた。一人少ないギリシャがドローの勝ち点1を取ることは最終戦のコートジボアールに最後の望みがつながる。もちろん日本も同様に最終戦相手次第で数パーセントの望みはある。ただ相手はグループ最強と言われるコロンビアである。

 日本の多くの選手が、主審の判定に最後まで首を横に振って不快感を表している。前半早く二枚のイエローで優位に立てたのだから、頭を切り替えて主審の判定の性格を学習し、同じようなファウルを犯さないことであった。彼らの多くは欧州リーグで何を学んでいたのが疑問思う。主審の判定は覆らないし、日本に有利な判定はもうないだろう。この主審は下から体を相手に入れると笛を吹く性格であった。相手を倒せば、そこで時間稼ぎの負傷タイムが発生した。日本の選手はもっと賢く、したたかにゲームを遂行する義務があった。しかし、それを遂行した者はいなかった。

 日本の短所は引かれて守備を厚くする相手を打ちまかすシュート力もスピードもアイデアも不足していることであった。攻めてくる相手には左サイドのショートパスの交換から長友の抜け出しは効果があった。しかし、一人少ないギリシャは引いてカウンター攻撃となっていた。引かれた場合に攻めるスペースが無くなっていた。

 日本はボール保持率でギリシャを大きく引き離していたがサッカーには優勢勝ちと言うものはない。痛いドローだった。

試合後のインタビューで

 試合後ザッケローニ監督のコメントも何を言いたいのか判らないものだった。明らかに言葉を選んだものだった。本人自らがパワープレーは日本に馴染まないと言っていたが、タイムアップの10分前あたりからパワープレーに終始した。センターバックも何振りかまわずゴール前に飛び込んだが、相手のファウルを誘うどころか自分がファウルを犯して相手の時間稼ぎに協力してしまった。

 日本が見習うべきゲームがあった。それは同日のひとつ前のゲームでイングランドとウルグアイの一戦がサンパウロで行われた。結果は2-1でウルグアイが勝利し、ウルグアイのFWスアレスが二得点と復活したゲームだった。イングランドの得点はルーニーだった。眠れる獅子がやっと目を覚ましたゴールだった。テレビ画面を通して観ているのにそのスピードと迫力はハンパじゃない。ゴールに飛ぶのはボールだけでなく自分自身だった。これは戦闘そのものだった。全力で走り全力でボールを蹴りこむ。例え負けてもサポーターは満足のいくゲームだろう。

 日本が見習うチームは、ウルグアイであったり、メキシコやチリであったりする。彼らに共通するものを早く習得しないといけない。不謹慎かもしれないが、次回のW杯ロシア大会へ向けてだ。

 試合終了後のインタビューで香川は先発落ちに悲壮感をただよせて現実を受け止めていた。本田もまた、ただただ悔しいと言っている。

数パーセントの可能性を追求して

 グループCの最終戦は日本時間25日の早朝だ。同時刻にもう一つの組み合わせギリシャ対コートジボアール戦も行われる。現在コロンビアが勝ち点6でトップ、続いてコートジボアールの勝ち点3、そして日本とギリシャの勝ち点1と続く。

 最終戦は両方のゲームがテレビで中継される。チャンネルを二画面にしながら事の成り行きを見守りたい。確率は大変低くなっている。3~4パーセントであるらしい。しかしたとえ1パーセントでもあるならば夢を未来に託して応援するのが日本代表サポーターだろう。ギリシャが1-0でコートジボアールに勝利し、日本が1-0でコロンビアを退けたら得失点差で二位抜けとなり得る。最後のチャンスは生きている。