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C組グループリーグ最終戦 (連載第264回)

2014年6月25日

ブラジル北部サルバドールは18世紀の匂いのする歴史都市だった

※ブラジル北部サルバドールは18世紀の匂いのする歴史都市だった。

死の組D組はコスタリカとウルグアイ

 番狂わせはW杯のもうひとつの名物だ。前大会でグループリーグ敗退したイタリアは、ウルグアイとの最終戦に引き分け以上でベスト16へ進出だった。試合は人口337万人のウルグアイが人口6000万人のイタリアを呑みこむ結果となった。もう一方は人口446万人のコスタリカが人口6200万人の英国とスコアレスドローで死の組一位抜けを確定し、二位抜けはイタリアを1-0で下したウルグアイとなった。

 最後の最後にやってきた。ウルグアイのしぶとい攻撃が図太いイタリアの守備を打ち破った。後半から一人少ないイタリアが守備重視で引いた戦術となった。ウルグアイは先日の日本vsコートジボアール戦と良く似た展開だったが厚みのある果敢な攻撃の末、コーナーキックから得点した。そのシーンは同時に4人がひとつのボールに飛び込んでいた。だれのヘッドが分からないくらいの空中戦だった。もぎ取った得点そのものだ。しかし、ここまで行くまでに様々なドラマがあった。そういう意味からも死の組らしい最終ゲームだった。

 試合は後半いきなりバロテッリの交代ではじまった。おそらく前半焦れたバロテッリはイエローカードを一枚もらっている。それを危惧したのかプランデッリ監督は選手交代のカードを早々と切った。しかし、マルキージオの一発退場で状況はがらりと変わってしまう。巧みに変化をつけてきたイタリアだったが守備を重点に置く体制と変化しなければならない。そんな一人多いウルグアイはラテン系独特の巧みなボールさばきとラフプレーすれすれのゲーム展開でじわりじわりイタリア守備陣を追い詰めて行ったのだ。

 これでコスタリカとウルグアイがベスト16に勝ち進む。南米大陸でのW杯はラテン系チームの優勢がそのまま続いて行く。イタリア、イングランドは敗退。すでにスペイン、クロアチアも敗退している。このゲームでウルグアイのスアレスはイタリアDFの肩に噛みついたがレフリーは見逃している。スアレスの卑怯な徴発行為は今後問題になることだろう。
これもまたW杯の名物だ。

日本対コロンビア戦

 日本の勝利が必至のC組最終戦だった。前の時間のD組の結果、日本がベスト16に進出した場合に相手はコスタリカとなってしまう。ちよっぴりうれしい気分になった。前半岡崎のゴールで同点にしたときは、もう一つのゲームでギリシャが勝っていると知って、現実的にベスト16を想定した。日本のらしさは出たゲームだった。それだけに結果1-4の敗戦は受け入れられない人も多いだろう。しかしこれが世界とのギャップである。

 日本の敗戦の原因は、決定機に決めきれなかったことだろう。大久保が外す場面や香川が決められないシーンが連続した。サッカーの女神は徐々に遠ざかって行った。それに反してコロンビアはワンチャンスで決められる技術を持っていた。彼らはゴール前では冷静だった。これが世界の壁と言ったらそれまでだが、日本は各個の力不足を反省し、次のスタートに立ってほしい。

 もう一つのゲームでギリシャがコートジボアールを2-1で下し、決勝トーナメントに入った。これは立派な戦いだ。彼らは彼らのシナリオどおりゲームを遂行したのだ。そしてサッカーの女神はギリシャに微笑んだ。

 日本を発って約一ケ月が経つ。50数名の移動の日々だった。疲れもピーク以上だ。日本に帰ってきて疲れた体を癒してほしい。そして、各自が自分のプレーを見直し、協会は冷静に戦術を分析し、新しい監督が決まった時にこの大会を踏み台にして次の新しい日本のサッカーを立ち上げてほしい。

 心残りはたくさんある。やっぱり初戦がすべてだった。次戦のギリシャ戦がこのコロンビア戦のように前へ前へ向かっていけたら、0-0のドローでなかっただろう。ドリブラーの斉藤は最後まで出場する機会はなかった。彼にチャンスを与えなかった監督が悪いのか、彼の調子がイマイチなのか判らないが、日本にとっては不幸な戦い方だった。

 どのチームにも限界はある。そして、それをリセットするのもW杯である。サッカーはまだまだ続く。タイムアップの笛は次のゲームへのスタートの笛でもある。