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成果が問われたオーストラリア戦(連載第285回)

平成26年11月19日

シドニー湾クルーズ船上よりオペラハウスを望む

※シドニー湾クルーズ船上よりオペラハウスを望む

このゲームはシドニーで対戦したかった

 先日も述べたとおりアジアカップは来年早々にオーストラリアで開催される。当たり前だがアウェーの地での対戦を事前に経験すべきだった。今回その機会を逃したことになる。
その上、滅多に対戦することのできないブラジルとのゲームをシンガポールで開催している。今回の長居スタジアムで組めたならサポーターにとってはクリスマスプレゼントだった。未だ関西ではブラジル戦は組めていない。結果は2-1で勝利した。

勝利した豪戦で見えてきたものは

 スタメンは先日のホンジュラス戦と同様だった。怪我の内田に変わってFC東京の太田が左サイドに入った。アギーレ監督は現在の最強メンバーで今年最後の戦いをチャレンジしたかった。システムは同様に4-3-3であった。4-3-3は力が劣る相手には有効に働いた。先日の大勝が良い例だ。前に人数が厚く幾度となく攻撃が可能だ。しかし、今回のオーストラリアのように組織的にしっかりしていて、フィジカルが強い相手だと苦戦することがわかった。試合中、日本の選手はシステムの変化を自ら行うことができない。その理由は以前にも言ったことがある。日本人の律儀な性格がそうさせている。それに反してブラジルチームは自由にシステムを変化させて相手を翻弄する。だから監督が判断する必要があり、早い分析は欠かせない。

 前半、対オーストラリアには4-3-3は不利だった。中盤の三人が上がり目の時にボランチは長谷部一人となった。そこをオーストラリアは突いてきた。幸いにも失点を許さずに前半を終えた。

 後半はシステムを4-2-3-1に変更された。これが的中した。わずかなシステムの変更がきっちりとはまる。二枚のボランチに今野が入ってより効果を増す。オーストラリアの攻撃を二枚のボランチが食い止めて前に向いてゲームを組み立てられた。トップ下の香川の運動量が増え、途中交代の乾のサイドチェンジが利いてきた。そして流れるような日本のパスワークが再開され2得点をもぎ取ることになる。

唯一の失点はケーヒルの頭

 何度となく見てきた光景だった。終了前に交代で入ってきたケーヒルは相変わらずの駆け引きの上手さで日本DFに立ち向かう。そしてロスタイムにヘッドで失点を食らうことになる。あれだけ要注意の人物にまたもややられてしまった。

 アギーレ監督は過去のすべてのオーストラリア戦をビデオで見て分析していない。私はそう感じた。対戦成績が五分のチームで唯一警戒しなければならない選手がケーヒルだったが対策は選手に任せた。監督が端的なアドバイスをすべきだった。オーストラリアの攻撃は単純で早いうちからボールを前線の選手に合わせ、セカンドボールを狙う。そのやり方が日本には有効だった。しかし、早い段階で得点できなかったことが敗因に繋がった。

 来年早々のアジアカップは遠征開始から約一ヶ月の長丁場になる。オーストラリアとは準決勝で対戦する可能性を占めている。ここで必ずケーヒルが出てくるだろう。昨晩の轍を踏まないようにケーヒル対策は必須だろう。そして本物の新生代表の選出が待たれる。新しい23人に何人の新人が入るのだろうか・・・。まさか三人????