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女子W杯カナダ大会開幕 (連載第311回)

平成27年6月13日

FIFA本部のあるスイスチューリッヒから一時間ちょっとのルツエルンの街
※FIFA本部のあるスイスチューリッヒから一時間ちょっとのルツエルンの街

女子W杯開幕、開幕戦にブラッター会長姿見せず

 カナダで開幕された女子W杯にブラッター会長をはじめ事務総長の姿はなかった。今更、恥ずかしくて世界に顔を見せられないのか、スイスの自宅に引きこもって弁護団と対策に必死なのか真意は分からない。しかし大会は着実に遂行されていく。

 なでしこジャパンは初戦のスイスに宮間の唯一の得点で1-0の勝利に終わった。スイスは強いチームだった。必ず決勝トーナメントに進出してくるだろう。分析すると他のヨーロッパのチーム同様にフィジカルが強く足が速い。リーチがある相手では懐が深くてボールを取りに行くことが困難である。ファーストタッチの時にアタックする以外に簡単にボールを取れない。

 スイスはPKの失点に対して焦ってしまった。チャンスはたくさんあったけれど最後のシュートがまずかった。決めきれないスイスに対して少ないチャンスを物にした日本が勝ったのである。

 しかし代償はあった。PKを取った安藤が骨折したのだ。調子が良かっただけに大変残念なことだ。後は残った者たちで彼女の分も頑張るしかないだろう。前線は大儀見と大野にしても良いし、菅沢でも良い。最近鋭さが見えないが川澄の奮起にも期待したい。秘密兵器としての岩渕がラッキーガールになる素地は充分にあるし、大儀見、永里の姉妹コンビも見てみたい。いずれにしても頑張るだけである。

 中国のメディアがつまらないことを今更のように言っている。選手の特徴や戦術は研究しつくされている・・・と。そんなことは監督もチームも分っている。その上で戦っているのである。自国のチームのことをもっと心配したら・・・。

日本代表強豪?イラクに4-0の勝利

 先日の対イラク戦は久々の強豪相手で良い強化試合になると思っていた。しかし、ふたを開けたら強いイラクの姿はなかった。まるで出稼ぎに来たように見えた。私は代表があんなに縦に早いサッカーができるとは思いもしなかった。この日のイラクはかつての日本のように横パスばかりのサッカーをしていた。

 テレビ中継の合間のCMで暴力のない世界、差別のない世界をサッカーが創る。というメッセージが流れた。シーンは雨のぬかるんだ土のグランド、破れかけのボールが映りだされる。昔、子どもの時の1シーンを脳裏に思い出した。確かにこのシーンは見覚えがある。残念なのは、退団したフォルランが出演していたことだろう。そして今のFIFAには説得力は何もない。

 前半の評価は、柴崎6.5、本田6.0、宇佐美6.5、長谷部5.5、香川5.5、槙野6.0、岡崎6.0、長友6.0、吉田6.0、酒井5.0だ。そしてこの日のMOMはハリルホジッチ監督だろう。

W杯第二戦カメルーン戦

 いくつか気が付いたことを書こう。アメリカ対スウェーデン戦は日本人レフリーだった。ゲームの流れを見極めた素晴らしいジャッジだった。女子の大会は審判のレベルの低さにうんざりした時期があったがW杯となれば違っていた。何試合か見るがダメだしする主審はいない。

 選手の中には濃い目の化粧をしている人も見られるし、片腕に大きな刺青を彫っている人もいる。世界から注目されるだけに文化の違いも感じられる。

 さすがW杯スタジアムは立派だ。収容席も独立しているし屋根もついている。しかし、残念なのは人工芝であることだろう。カナダということで冬季の芝の育成を考えると仕方ないことかもしれない。しかし、グランダーのボールが進まなくて相手にわたるケースが多々見受けられた。今のところ日本チームに決定的なミスはない。その他前回のブラジル大会から採用されたバニシングスプレーやGLTの技術が導入されている。この点もゲームをスムーズにしているのかもしれない。

 なでしこジャパンの第二戦カメルーン戦は2-1で勝って決勝トーナメント一番乗りだった。前半早々と鮫島のゴールで先取点を取るといい時間帯に菅沢の追加点が入った。後半は自分たちの持ち味がなかなか出せない。終了前に一点を返される。後半だけみれば惨敗だろう。次戦はメンバーを一新して控え組にもチャンスを与えてほしい。そして決勝トーナメントへの戦術をしっかりと練ってもらいたい。まだ力が出せていない大儀見、川澄、岩渕らに期待するだけだ。