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準々決勝オーストラリア戦 (連載第314回)

平成27年6月28日

シャンペングラスの向こうにエアーズロック。オーストラリアを飲み干す。
このゲームにふさわしい画像だろう。
※シャンペングラスの向こうにエアーズロック。オーストラリアを飲み干す。 このゲームにふさわしい画像だろう。

なでしこジャパンオーストラリアを飲み干す

 準々決勝はなでしこジャパンの戦術通りの展開でオーストラリアに1-0で勝利し準決勝にコマを進めた。決めたのは途中交代の岩渕真奈だった。ファンとしては四年間待ちに待った得点シーンであった。四年前は十代での初出場ながら全くの見せ場を作れないままの大会だったが、今回は一回り大きくなって期待の若手として参戦していた。華奢な体は見た目にも一回り大きく鍛えられた。そのうえ肩から腕の筋肉はアスリートとしての成熟度を感じられる。現在はドイツリーグで活躍していて体格で勝る外人選手をも跳ね飛ばす脚力を持っていた。

 彼女の武器は大柄な相手選手の中をドリブルで突進する。小兵ゆえの小回りを利かしたドリブルを止めることは難しい。それを彼女は進んでトライして行く。そして最後は思いっきりのシュートだ。待望のシンデレラガールが登場したのだ。待ちに待ったヒロインがやって来た。

 チームとして機能も良かった。全員の意思確立がすごいチームだ。テレビ画面からの声は圧倒的に日本のものだった。なでしこジャパンは全員が声を掛け合って単純なミスを防止した。前試合でやってはならないミスを犯した海堀がスタメンに入っていた。今日のゲームでリセット出来たことだろう。オーストラリアの数少ないシュートをがっちりと受け止めてゴールを死守してくれた。取るべき選手が得点し、死守すべき守護神が復活した。それを選手起用という形でコントロールした佐々木監督の手腕も見事だ。

 それをなすがままにさせたオーストラリアに問題があったと思う。日本が弱いところは明確だ。それは早いボールをDFの裏に放り込まれることだ。そこをスピードとパワーでプレッシャーを掛ける事だった。オーストラリアは後半の立ち上がりこそ、らしさを発揮していたが実際はパスサッカーに終始しているように見えた。日本が嫌う中盤を省略したサッカーをすべきだった。

 海外メディアがなでしこジャパンのパスサッカーを女バルセロナと呼ぶ。メッシやネイマールの優雅なパスサッカーを表して言う。我々にとってはこの上もない褒め言葉に聞こえる。大会もいよいよ終盤、ファイナルにFIFA会長プラッター氏はやって来るのだろうか?だれかが世界一のトロフィー授与をする必要がある。後二試合。ほんとに決勝戦、アメリカと日本の再現になるかもしれない・・・・・?