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準決勝イングランド戦 (連載第315回)

平成27年7月2日

※イングランド中西部ウイルトシャー地方のソールズベリーの大聖堂。最初の建築は
1075年から1092年にかけて1220年に再度大聖堂建築を市が決定し58年に完成した。尖塔は123メートル。京都東寺の五重塔は55メートル。
※イングランド中西部ウイルトシャー地方のソールズベリーの大聖堂。最初の建築は 1075年から1092年にかけて1220年に再度大聖堂建築を市が決定し58年に完成した。尖塔は123メートル。京都東寺の五重塔は55メートル。

こんな勝ち方があったんだ

 今朝のイングランド戦ご承知のとおり2-1で辛くも勝利した。後半お互いの持ち味を出し切って相当疲れが目立って来た。日本は交代カードを二枚残しているがイングランドはすでに三枚使い切っていた。佐々木監督は澤を温存してあきらかに延長を睨んでいる。一方イングランドは交代を使い切って最後の最後に得点をするつもりだろう。

 後半岩渕が登場して明らかに流れが代わっていた。ゴール前での独特のドリブル突破に相手は付いて行けない。大儀見とのコンビで再三シュートまでつないでいた。しかし、イングランドも切り札のホワイトを登場させて、前半から見せている簡単なパワーサッカーを繰り返している。ロスタイムに入って日本が引いて守備一辺倒になった時、フリーの川澄に出たボールを前線の二人にパスを出す。攻めていたイングランドは引きながらの守備となっている。それが彼女たちの悪夢の始まりだった。川澄のパスをクリアしきれずにゴールバーの下を叩いて真下に落ちた。ボールはGLTを駆使するまでもなくゴールラインをボール二個分入っていた。ロスタイム(ほんとはアディショナルタイム)1分を残して日本は相手のオウンゴールで勝ち越した。

 これで勝利は決定した。そのままタイムアップの笛が吹かれる。崩れ落ちるイングランド選手、泣き叫ぶオウンゴールの張本人、それと相反して大喜びの日本ベンチが映し出された。誰も予想していないこんな幕切れ、サッカーの神様は最後に日本に微笑んでくれた。

NZ人レフリーがしたこと

 このゲームニュージーランド人のレフリーだった。英国とNZの歴史的つながりは深い。レフリーにとっては一方の日本にPKを出したことは気にかかる要素であった。有吉が倒れてPKを取ったがあの程度の出来事がイングランドのプレッシャーとなった。そしてレフリーのプレッシャーでもあった。私はツイッターで「日本DFはPKを取られないよう注意!」とつぶやくと案の定その五分後大儀見のささやかなファールを取ってPKをイングランドに献上した。レフリーはこれで帳尻を合わせた。一度でもサッカーの審判を経験した人はこの帳尻について理解できるだろう。最初のPKの笛が基準で二度目のPKの笛は基準値よりも低くなる。だから最初のPKはよっぽどでない限り吹かないのである。それが私の鉄則だ。

 ロスタイムのオウンゴールは前へ前へと攻めていた結果だった。一瞬1966年W杯イングランド大会の決勝。イングランド対西ドイツ戦ジェフ・ハーストの疑惑のゴールが脳裏を巡った。当時はテレビビデオやGLTのテクニカルなものは無い時代だった。私の心配をよそに明らかにゴールラインを割っていた。イングランドにとっては割り切れない敗戦であろう。しかしそれを含めてW杯なのである。そして日本は勝った。

決勝は二大会続けて日米決戦に

 ロンドンオリンピックを含めると三大会連続の日米決戦となった。W杯ドイツ大会はPK戦の末日本が優勝した。オリンピックではアメリカが雪辱している。このカナダ大会で白黒つける事に成るのである。FIFA会長のブラッター氏は決勝を欠席すると通知してきた。たれがトロフィーを授与するのだろうか?

 もうひとつ地球の裏側でビッグトーナメントが開催されている。その決勝も日米決戦のあるこの日曜日だ。コパアメリカ大会、つまり南米選手権である。決勝は開催地チリと隣国アルゼンチンの戦いとなった。

 ブラジルはネイマールの乱闘レッドカードで早々と散ってしまった。ウルグアイ、パラグアイ、コロンビアも残れなかった。近年めきめきと頭角を現してきたチリが王者アルゼンチンに挑む。まるで日本がアメリカに挑むがごとしだ。この日曜は眼が離せない。

 最後に試合後のインタビューでキャプテン宮間が言った言葉、「決勝に残ってやっとスタート地点に立った」 ひょっとしたら連覇があるかもしれない・・・・・