京都新聞社TOP

カンボジア戦の分析(連載第321回)

平成27年9月4日

※これはインドネシア中部ジャワのボロブドール仏教遺跡だ。記憶に寄れば5~6世紀の
建築物である。残念ながらカンボジアのアンコールワットには行ったことがない。
当時の東南アジアでは権力を持った女王が存在していて多くの巨大建築物が建造されたと? 邪馬台国の卑弥呼にも通ずるところがありそうだ。
※これはインドネシア中部ジャワのボロブドール仏教遺跡だ。記憶に寄れば5~6世紀の 建築物である。残念ながらカンボジアのアンコールワットには行ったことがない。 当時の東南アジアでは権力を持った女王が存在していて多くの巨大建築物が建造されたと? 邪馬台国の卑弥呼にも通ずるところがありそうだ。

カンボジア戦

 前号で奇しくも引いて守るアジアのサッカーに対する対抗策を論じた。今回はその結果を検証する必要にかられている。結果はご承知の通り3-0で勝利した。しかし、多くの論評はシュート30本以上放って3点とは情けない内容と批判的である。

 これからアウエーが続く、シンガポール、カンボジアと続いたホームのゲームのように簡単には行かないことは百も承知だ。8日にアフガニスタンと対戦する。会場地はイランだ。来月の 8日には最大の難敵シリアと対戦する。会場地はオマーンだ。いずれも戦火での対戦を避けての代替地開催になっている。しかしご承知の通り中東独特の何とも言えない雰囲気の中での対戦だ。何が起こるか分からないのが中東でのゲームなのだ。

 前号で引いて守る相手に対してはいくつかの対策を述べた。そのとおり選手は監督の命を守って確実に実行して行く。まずは早いオープン攻撃でタッチラインまで攻めてマイナスの折り返しボールを蹴りこんで合わせる。そしてミドルシュートを積極的に撃つ。結果本田と吉田のミドルシュートが入った。その上PKを取りに行くファウルを受けて倒れる練習までやっていた。ドリブルで相手DFと接触する場合に相手の体の前に自分の軸足を入れる。これでタックルしてきたらPKを取れるということらしい。身体同士の接触で倒されてもPKになりづらい。しかし、足に引っ掛かればPKは完全にとれる。

 前半、日本にPKがあった。長友がシュートする瞬間に後方から足をすくわれた形だ。しかし主審は笛を吹かなかった。このゲーム韓国人のレフェリー陣が取り仕切っていた。レフェリーによってPKの笛の基準は違う。このゲームの主審はその点厳しかった。長友の倒れ方も素早過ぎた。一瞬では両者とも倒れたようにも見えた。

 この日は雨のゲームだった。ミドルシュートも早いダイレクトパスも晴天時より効果は倍増していた。しかし山口のミドルシュートはゴールバーのはるか高峰を超えて行ったし、試合後猛省した香川はドフリーを二度も外してしまった。CFの岡崎に至ってはいつものらしさは見えず。出し手と受け手の呼吸は最後まで合わなかった。先発の武藤はスピードばかり目立って緩急が付けられない選手になっていた。

 その最たる要因は、日本の選手は皆まじめすぎることだろう。今日の試合の重要性と各個人の成果を求めすぎるために無駄口ひとつはかずに寡黙なゲームにしてしまった。一番声が出ていたのはハリルホジッチ監督その人だった。選手同士の笑やコミュニケーションのないゲーム展開だったのだ。その点がなでしこジャパンとの違いであろう。

 テレビ解説の岡田元監督が遠藤の存在を引き合いに出していた。ゲームにアクセントと落ち着きをもたらす影のMVPと言われる役者が不在である。日本は簡単にもっと多くの得点を取って楽勝している相手に対して及第点で消化したのだ。でも勝利は勝ち点3をもたらし、暫定三位となった。首位は二連勝のシリアで二位はシンガポールとなっている。いずれにしてもアウエー二連戦が大切になってきた。シリア戦は深夜のキックオフだ。寝られない日々が続くだろう。

 最後に一言。後半途中交代の宇佐美と原口は良かった。