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W杯予選シンガポール戦(連載第330回)

平成27年11月12日

※長崎港からおよそ40分(高島経由)軍艦島に接近する
※長崎港からおよそ40分(高島経由)軍艦島に接近する

※ここにはかつて5,300人の生活があった。1974年閉山(三菱石炭鉱業)してから自然の風化によって廃墟となり今世界遺産となって初めて脚光を浴びている。しかし現実の生活は過酷なものだったに違いない。
※ここにはかつて5,300人の生活があった。1974年閉山(三菱石炭鉱業)してから自然の風化によって廃墟となり今世界遺産となって初めて脚光を浴びている。しかし現実の生活は過酷なものだったに違いない。

※東西160m、南北480mの日本一人口密度の高い島には、生活のすべてがあった。学校、病院、ダンスホール、銭湯、映画館、プール、商店、パチンコなど、しかし唯一なかったのは緑豊かな自然と墓地である。軍艦島の正式名称は端島という。
※東西160m、南北480mの日本一人口密度の高い島には、生活のすべてがあった。学校、病院、ダンスホール、銭湯、映画館、プール、商店、パチンコなど、しかし唯一なかったのは緑豊かな自然と墓地である。軍艦島の正式名称は端島という。

シンガポールに3-0で圧勝

 当初から問題なのは来春から始まる最終予選である。その前の二次予選は楽勝で勝ち進むしかない。前回の日本開催ゲームでシンガポールのGKひとりにやられた。しかし彼のラッキーなプレーが第二戦まで持続しているとは思えなかった。今夜は心配無用と考えていた。実際は前半金崎、本田で2ゴールとシンガポールとレベルの差は歴然だった。しかし後半は1ゴールと失速した感はあった。

 日本は前回以上にパススピードが速くゴール前でのショートパスが見事に決まっていく。引いた相手を崩す手段は三通りある。一つはゴール前に切れ込むか壁パスのワンタッチで突破すること、二番目はサイド攻撃。そして最後はミドルシュートだ。今夜の代表はそのすべてを実施した。

 ハリルホジッチ監督の選手起用もズバリ的中している。FWの金崎、ボランチの柏木の働きが素晴らしかった。このふたりがMOMだろう。

 監督は着実に各ポジションで選手に競争というもっとも古典的な指導を成し遂げている。FWには岡崎のほかに武藤、宇佐美のほかに金崎が加わった。本田のポジションには原口もいる。トップ下には清武、香川、柴崎もいる。前線の選手を絶えず交代させてきた成果は得点源として実りだした。

 ハリルホジッチ監督が「現在もっともサッカー能力に長けた選手」という宇佐美もそのセンスの良さが光っていた。今日の三点目は公式には吉田の得点であるが、これは宇佐美が狙いすまして撃ったシュートが吉田に当たってコースが変わっただけである。そのシュートを打つときの眼はストライカーだけが持つ鋭さが感じられた。

 三年後のロシア大会では本田、長谷部の先発は見込めないだろう。年齢的に彼らを外した構想が必要らなってくる。その時に今活躍している若手の起用が功を奏してくるに違いない。アジアで一番になるにはアジア一速い攻撃と確実に決められる選手を作ることである。

新しいユニホーム

 久しぶりに新しいユニホームで戦った代表だった。濃紺で凛々しく強く見えた。前半清武のユニホームが完全に敗れて半裸状態になったことは想定外であろう。その上ハーフタイムの選手の胸元が汗に濡れてユニホームの首元が伸びていたのが気になっている。素材の改良を申し出る役員もいるかもしれない。

 FIFAは来年二月に実施される会長選挙に5人を認定している。アジア連盟、ヨーロッパ連盟、FIFA内部から選出された。それぞれに身体検査にパスした面々である。副会長のプラティニ氏は処分保留のままで年末の最終審査まで去就がはっきりしない。私はアジア連盟とヨーロッパ連盟の一騎打ちのような気がしている。

 Jリーグも終盤に近づいている。二部のサンガは降格圏すれすれで未だ残留を決めていない。かつて三部が出来る前年がサンガにとって最後の一部昇格の年だと言ったことを思い出す。三部が出来てサンガは二部が定位置でも満足している。必死で這い上がるコツを忘れている。そして今や二部の降格枠に収まろうとしている。私たちは二部残留を望んでいるのではなく、一部昇格、優勝を望んでいるのである。