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満足感のない勝利(連載第331回)

平成27年11月18日

※長崎の夜景は稲佐山の展望台からが素晴らしい。現在はロープウェイがリニューアル中、夜景専用バスで登頂した。
※長崎の夜景は稲佐山の展望台からが素晴らしい。現在はロープウェイがリニューアル中、夜景専用バスで登頂した。

※出島は社会の教科書で見た扇形した鎖国時代に許された居留地だ。現在は周りが埋め立てられ長崎の中心地に近い。ライトアップされた当時を再現した建物と背景の近代建築が
マッチして美しい。ホテルから徒歩数分のところに位置していた。
※出島は社会の教科書で見た扇形した鎖国時代に許された居留地だ。現在は周りが埋め立てられ長崎の中心地に近い。ライトアップされた当時を再現した建物と背景の近代建築が マッチして美しい。ホテルから徒歩数分のところに位置していた。

不満足な戦いカンボジア戦

 予選終盤になった最後のアウエー戦、日本代表は人工芝のピッチに重いベトナム製のボール、高温多湿と大観衆に飲み込まれたような甘いサッカーをしてしまった。前回から8名を交替させた布陣にも機能しなかった原因がある。前半は全く良いところのない45分だった。むしろカンボジアの方が時折見せる逆襲に恐ろしさを感じてしまう。こんな場合、攻めているが最後の詰めが不発で逆転の失点を食うことが多い。心配な立ち上がりだった。原因の大半がピッチの状態だろう。ボールは人工芝特有の跳ね返りを繰り返す。人工芝の下に張られたラバーの粉末が異様にスパイクに引っかかった。選手はそれに対する攻略が出来ないまま前半を0-0で終えた。

 ハリルホジッチ監督は憤慨していただろう。ハーフタイム明けの後半開始から柏木を送り出す。柏木の職人肌のパスとボールさばきが日本にリズムを蘇らせた。柏木はボールの持ち方、自身のポジション、縦へのパスの一呼吸とすべてが絶妙だった。柏木からのボールで後半6分にオウンゴールを得る。しかしその前に岡崎がPKを外してしまっていた。彼は緊張していた。彼のPKは細工のない真正直なキックだったので相手GKとタイミングがドンピシャリ合ってしまった。PKはGKとの駆け引きだ。経験の浅いカンボジアGKを相手にする場合は十分な間合いが必要だった。やはり先発メンバーに本田圭佑がいなかったことが響いていた。

 後半17分には満を持して本田が投入された。彼はこんな場合の戦い方を良く理解していた。余計なことはせずにただひたすらに柏木からのボールを前線の真ん中で待つことだった。再三柏木から絶妙なボールが配給される。そして終了間際に藤春のクロスを本田がヘッドで決めて2-0として勝ち切ったのだ。

 二人の選手、柏木と本田はこの場合の戦い方を知っていた。そして監督もまた彼の持ち味を理解して投入していった。

 それにしてもカンボジアのサッカー熱は高い。私のツイッターにも時折、カンボジアサッカーの近況が流れてくる。それを読んでいて日本の支援の厚さを感じていた矢先だ。今後はベトナム、タイと続いてカンボジアが強くなってくることだろう。

 いよいよ来年三月のホームでの二戦がカギとなってきた。特に最終戦のシリア戦が大勝負と言わざるを得ない。そしてその前に男女のオリンピック予選が再開されるのである。

 パリで起こった悲惨なテロ。サンドニのフランススタジアムは98年W杯フランス大会で再三観戦をした場所だった。昨日のベルギー対スペイン戦は中止になった。来年はユーロの年、舞台はフランススタジアム。