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二代表の国際試合 (連載第357回)

平成28年6月4日

※神戸港は世界で唯一、船舶の入港際して核持ち込みを禁止し来航船舶に報告させている。
※神戸港は世界で唯一、船舶の入港際して核持ち込みを禁止し来航船舶に報告させている。

なでしこ米国戦

 男子代表のキリンカップブルガリア戦に隠れて大きく報じられていないが、昨日高地デンバーで新生なでしこの初陣があった。高倉麻子監督が選出した新しいチームに宮間、川澄、近賀などの以前の代表メンバーは含まれていなかった。明らかに若返ったチームの中心は大儀見、阪口で構成された。結果3-3のドローであったが明らかに両チームとも反省点の多い内容となった。

 親善試合でのホームゲームは強化につながらない。しかし遠征試合はそうでもない。特になでしこの一つ上をいくアメリカを相手にしたとき問題点は浮き彫りになっている。前半なでしこは快調に推移していた。先発の岩淵、大儀見が鮮やかに得点をした。2-0でリードしたのである。

 後半はなでしこらしさに欠如したゲームになった。特に大儀見の不用意なファウルで退場を期してから逆転されるまで全く攻撃の糸口が見つけられなかった。しかしチャンスはやって来る。ロスタイムに横山のシュートが決まってドローに持ち込んだのである。

 日本の課題は左右のサイドバック裏のスペースを如何に埋めるかである。そして早い走り込みを阻止するための二人以上の守備の連係であった。いつもこれが機能せずに負けている。アメリカの課題も浮き彫りにされた。守備のあまさである。日本の速いパスワークと個人技に付いて行けない。リオ五輪を控えてアメリカの課題も見えたのである。両チームにとってはその意味で貴重なゲームとなった。次戦どのように修正してくるか両チームの女性監督の采配に注目したい。

キリンカップブルガリア戦

 日本代表の久々のゲームはホームであった。キリンカップと言え今回は4チームによるトーナメント戦でタイトルが掛っている。しかしそれは親善試合の毛の生えた程度である。その理由の一つにチームは6人まで交替が出来た。ご承知の通り日本は7-2で大勝した。残念なことに相手のブルガリアが弱すぎた。かつてのブルガリアの強さは一向に見えない。日本チームの出足のスピードに付いて行けない。日本のパスワークがことごとく決まって ゴールが量産された。

 途中から面白くなくなってきた。選手は次から次へと交替していく。日本もブルガリアも12名の選手を入れ替えた。誰がどこに入るか、どう機能するのかシステムの変更はなどと気を揉んでいるうちにタイムアップになった。

 一番は宇佐美のゴールシーン。シュートを打つタイミングとコースと強さに彼の天才的な素質を見て取れた。次は浅野のスピート。彼はスピートを落とすことなくサイドからゴール前に切り込むことが出来る。そして得たPKを決めた点だ。最初監督はキッカーに宇佐美を指名している。しかしベンチからの浅野コールに了解して彼をキッカーに再指名した。浅野もきっちりと決めている。

 折しも同日に二つの代表戦があった。しかし今後訪れて来る本当の厳しい戦いとは程遠い内容であった。それを一番わかっているのは二人の監督自らであるのだ。