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東京オリンピックは (連載第369回)

平成28年8月25日

2020年東京オリンピックで日本文化はいかに発信するのか 出雲大社の大しめ縄
※2020年東京オリンピックで日本文化はいかに発信するのか 出雲大社の大しめ縄

リオオリンピック終わってみれば

 ようやくオリンピックが終了した。我が家にも平穏な夏日が戻って来た。終わってみればテロもなく、大規模な事件もなく無事に終了と言うことだろうか⁉ 細かいことを言えば大会期間中の強盗や窃盗は多々あった。これは普段から多発している地域だから止む得ないと言えばそれまでなのだろうが、死者が出ていないのが何よりだ。普通オリンピックや万博などでは他国からの出稼ぎ窃盗団も多く発生する。

 今回入国審査場に日本製の顔認証システムが導入された。たった0.3秒で犯罪人履歴と照合出来るらしい。その上、ブラジルでの警備体制も飛躍的に増強されている。ロンドンでは4万人の動員だったがリオは8.5万人だった。東京は今のところ5万人体制で進められている。先日のサミットが2.3万人だった。外国では警察だけでなく軍隊が動員されることがある。英国ではホースカードのような騎馬隊の貢献度も高い。海外では普通に小銃やカービン銃を携行した軍隊がガードしている。私の現役時代にもそんな光景にしばしば出会った。

 ホテルまでの直線道路はまっすぐに突入できないようにバリケートが交互に敷かれている。車は蛇行するように進んで行く以外に方法はない。検問には銃以外の火器(バズーカ砲)を設置していた。ちなみにスリランカのコロンボでのことである。パリのシャルル・ド・ゴール空港で実際にロボットによる不審物の自爆に遭遇した。エールフランス航空のチェックインカウンター近くで鋼鉄製ロボットの箱に入れられた不審物をその場で爆破するのである。治安当局は前触れのアナウンスもなく整然とやってのけた。大爆音と噴煙で遠目からも危険が及んでくることが分かったがカウンター業務は淡々と行われていたのに驚いた。日本なら一大事である。空港はマヒし警察車両で付近は埋め尽くされる。

 私は自衛隊をなんとか使用できないか検討してほしいと思っている。時限立法でいいから法の整備をしてほしい。ソフト自衛隊として空港や駅、港湾施設などの限定でよい。軽銃器の携行でベレー帽などのソフトな服装が良い。そうすれば警察や税関当局も余裕が生まれるだろう。国民は支持してくれると思う。もちろん戦争状態へのステップだとか自衛隊の拡大利用だとか文句を言う人々も多いだろう。しかし、以前と違うことがある。かつての東京五輪ではテロの危険はなかった。今や「おもてなし」を言う前に安全性を問う方が急務であろう。

 帰国した東京都知事のあいさつの中に仮設についての問題提起があった。日本ではゼネコンや建築会社に依頼するとき必ずと言って良いほどこんな事がある。「仮設では危険が伴うし本設同様の基礎が必要で経費もそんなに変わらない。万一の事故や見栄えを考えると仮設は提案できない」と。しかしね、無用の長物を作ってしまって後々苦労するのは分かっているし、仮設の技術も日本は長けているはずだ。もっと企業も研究する必要があるだろう。

 ブラジルでは「ガンビアッハ」と言う精神がある。あり合わせの素材で即興に作り出す文化だ。日本には「もったいない」という文化がある。知事の提唱は率直に受け止めることだろう。これらの問題の底辺に忘れてはならない現象があることを、それは人口減少と高齢化、夏の異常気温である。四年後これらは低下することはなくますます伸びていく。ハード面では仮設の文化、警備ではソフト自衛隊が良いのでは、そして最後に運営面である。

 真夏のマラソンのスタート時間に異議がある。これらはアメリカの放映権を持っているグループが支配している。つまり時差が生じることでライブ映像の占める時間が条件に入る。私は早くマーケティング事業、ライセンス事業について日本の窓口会社を決定して対外交渉に入るべきだろう。IOCに対してもアスリートの健康面からも早期交渉を示唆すべきだろう。中東でのワールドカップでは夏季開催が冬季開催に変わった事例もある。出来ないと言うよりもやれるように実行に移すべきだ。きっと道は開ける。夜間スタートは選手も観客も満足いくことだろう。日本には夜桜見物や祭りなどの文化があり沿道を提灯がゆれる風景はエキゾチックだ。

 2002年、私がワールドカップを実際に担当した場面で多くの壁に出会った。ほとんどが史上初めてで過去の実例がなかったからだ。しかし過去の例がなかったから新しい提案が可能になった。しかし、それでものごとが動いたわけではない。実際は何も変わらなかった。しかし、繰り返し説得していくうちに現場の対応次第で解決していくことが出来た。日本の中心の仕組みを変えることは困難である。しかし、現場の責任者に手段を委ねる選択肢はある。それでできる。

 ハード面以外は一年前まで動かないと思う。運営方針は一年前が正念場だろう。リオではボランティアの三割が逃げたらしい。参加した者も彼らは仕事をそっちのけで競技観戦に堪能した。どこでもボランティア教育は行う。大会直前にADとユニホーム、シューズ、キャップやバッグが貸与される。個々が身に付けるものだから事前配布だ。これを受け取ると逃げる者も多い。貸与物は翌日にはネットオークションに出ている次第だ。ボランティア体制についても一考は必要だろう。日本ではそんな心配はないかもしれないが・・。

 最後にチケット問題だ。我が家では早くもチケット購入について議論している。やはりサッカーは見たいし、開会式は見たい。柔道やレスリング、陸上に競泳、バドミントンに卓球などきりがない。チケットの販売は事前申請やネット申し込みでコンビニ受け取りなどの方法になるのだろうか? 旅行会社が宿泊と新幹線をセットにして販売することだろう。この場合人気のチケットは不人気なゲームとの抱き合わせ販売になる可能性があろう。それでも完売は避けられない。いろんな手段で手は尽くしてみたいと思っている。しかし、その前に四年間健康を維持することが一番大切なことかもしれない。

PS 名古屋グランパスの小倉監督が退任するらしい。
  引退した闘莉王が復帰する。
  ヨーロッパでは各国リーグが開幕している。日本人選手の活躍が始まった。
  彼らは9月1日のW杯最終予選に帰国すると言うのに・・・・。