京都新聞社TOP

天才健在 (連載第372回)

平成28年9月20日

※今朝旅先の娘から届いた一枚の写真
※今朝旅先の娘から届いた一枚の写真

将来の不安

 冒頭の画像はロンドンに旅をしている母娘から送られて来た写真である。背景には英国国会の象徴であるビッグ・ベンが堂々と見える。そして国会前の小さな広場に大量のライフジャケットが整然と置かれてある。先週末難民問題に関するデモが多発していたという。EUを離脱してこれ以上の難民を受け入れないと主張する国会に対する無言の抗議なのだろうか? 折しもニューヨークでは難民サミットが開催される。増え続けるシリア、アフリカ難民。制限を強化するヨーロッパ諸国。忍耐と寛容の精神が限界に近付いている。では、日本人はどうだろうか? 朝鮮半島有事の時、押し寄せて来る無数の難民船を受け入れるのか、追い返すのか? 国家は二分する意見でまとまらないだろう。冷静でいられる今だからこそ、想定範囲として議論し、正しい選択肢を見つける必要があると思っている。

2020年の不安

 そうこの年は東京オリンピック、パラリンピックが開催される。膨張の一途をたどる開催経費、都庁内部の普通でない体質、何もできない地方議員、果して東京五輪は誇れる大会として成功するのだろうか? 昨日閉幕したリオパラリンピック、日本は金メダルゼロに終わった。各個人にのみ委ねた力量が世界に追いついていなかった。アスリートへのバックアップと強化支援を本格的に考える時が来ている。

 2025年の不安。団塊の世代が75歳を迎える。医療・介護費が大きく膨れる年がオリンピックの五年後にやって来る。オリンピック開催で空前の無駄遣いのツケが効いてくる。今朝のラジオニュース、ネットニュース等で見た不安だ。2030年には死に場所を探し出す。これはシリア難民の話ではない。ここ日本の話だ。各地の病院は入院患者であふれ出す。在宅で死を迎えるにも在宅医の数が追い付かない。死亡診断書なしに死亡届は提出出来ない。斎場の受付も出来ない。挙句の果てに不審死として警察が動く。日本の社会が長年にわたって繰り返してきた習慣や文化の継承が続けられなくなっていく。行き場を失った使用済み核燃料のように安住の地が見つからない。

希望の星

 そろそろ本日のテーマに戻ろう。この人の名前はご承知だろうか。久保建英君15歳。中学三年生である。以前にもこのコラムで紹介した。確か天才現ると言う意味だった。名前を「たけふさ」と読む。彼が先日FC東京U17からJリーグに選手登録された。これはすごい事なんです。飛び級とごろではない。

 彼は若干9歳でかのFCバルセロナに見出され下部組織に入団しチーム得点王として活躍しました。しかしFCバロセロナ球団のFIFA規律違反で制裁を受けた結果、久保君は帰国を余儀なくされた。その結果しばらく彼の動向は世間から遠ざかっていました。しかしここにきてJリーグ出番が現実味を帯びてきている。彼は今、インドで開催中のアジアU15大会に日本代表として出場している。そして快進撃を続ける日本のエースとして和製メッシは得点とアシストを積み重ねているのである。

 彼にとっての試練はこの大会で日本が優勝できるかどうかだ。そのためには23日のオーストラリア戦が山場だ。彼のすごさはサッカー選手に必要なセンスがズバ抜けて備わっていることだろう。私が言うより一度テレビで見てもらいたい。保証する。

 将来再度FCバルセロナは彼の入団を射止めるに違いない。私は18歳がメドだと感じている。それは東京オリンピックと重なる。その時オリンピックに日本代表の一員として招集出来ることを念には念を押して契約してもらいたい。今年のリオ五輪でスイスのクラブチームは招集を拒んだ日本のエースがいた。はからずも同姓の久保だったからだ。