京都新聞社TOP

久保・KUBO・くぼ (連載第391回)

平成29年5月11日

※滋賀三大神社のふじ棚 砂ずりのふじと言って長い年は2メートルに達する。
滋賀三大神社のふじ棚 砂ずりのふじと言って長い年は2メートルに達する。

久保竜彦さん 41歳

 最初の久保は私の大好きなストライカー、ドラゴン久保であります。彼は既に引退していて地方のクラブチームでコーチらしきことをしているはずです。解説者まがいなことをしていましたが最近はその姿も見かけません。久保が解説者と聞いて、誰もが驚くほど無口で口下手だからです。選手時代も試合後のインタビューが大嫌いで愛想のない顔をしてロッカールームに消えて行きました。

 あのジーコが日本に真のストライカーがいると言わしめた久保でしたが、怪我に悩まされて代表招集もままならない時代が続きました。W杯南ア大会だったか忘れましたがジーコが最後まで久保の招集にこだわっていたことを覚えています。私の思うベストゴールは2つあります。一つ目はJリーグでセンターラインをわずかに敵陣に入ったとこから迷わずに左足で振り切ったシュートが弧を描きながらGKの頭上をかすめて入った得点です。誰もがシュートを打つとは思わなかった。それをやってのけるドラゴン久保のロングシュートでした。そしてもう一つは日本代表の欧州遠征でのゴールです。相手はチェコかウクライナか忘れましたが、ドリブルで抜け出した久保がシュートフェイントで右足から左足に切り返してゴール左上隅にぶち込んだ超迫力あるゴールです。最後の切り返しでGKは完全に振り切られましたが彼は冷静にボールをゴールインする訳でもなし、思いっきりシュートを打ったのでした。ワールドクラス級のゴールに相手側の落胆もひどかったと思います。まさに息の根を止めたゴールでした。

 久保について最後に一言。あれ以来彼のようなストライカーは現れません。男が惚れる選手でしたから・・・。彼の雑草のような生き方に共感しているのです。ただ忘れてはならないのは彼を支える家族の存在でしょう。私は彼に頻繁でなくてもいいから時々何かの折に社会に顔を出してドラゴン久保らしい姿を見せてほしいと思っています。

KUBO YUYA 24歳

 二人目の久保は現在絶好調でベルギーリーグのヘントで活躍中の久保裕也選手です。スイスのヤングボーイからヘントに移籍しても尚、彼の活躍が継続されています。今季両チームで20得点を数えていますが欧州に移籍した日本人としては最大のゴール数を数えました。ゴールはまだまだ増えます。その最大の理由は体のキレがズバ抜けていることです。対戦するチームの欧州選手をしのぐキレキレ感です。これにスピートが加わります。ドリブルも走りもシュートもスピードがあります。今の彼を止めるDFはいないと言って過言ではないでしょう。

 後はケガだけが大敵です。前段で述べた先輩のドラゴン久保のようにケガに泣く人生は送ってほしくないと念じています。今や日本代表で本田圭佑を追いやってポジションを獲得した彼が次戦のイラク戦のキーマンでしょう。

くぼたけふさ君 15歳

 3人目の久保は世界で神童と評される久保建英君です。何度も私は紹介していますが彼の活躍がJリーグでニュースになるたびに目を食い入るようにしてテレビ画面を見ています。先日、J1の試合に出場しましたがその天才ぶりはわずかなプレー時間から見ることが出来ました。私が一番気に入っているのはボールを保持している時のスタイルです。サッカー界ではボールの持ち方が良いと言いますが彼のボールキープの仕方、ドリブル、フェイント、シュートと超一流です。いや超一流の匂いがするんです。

 それはメッシの少年時代の映像で見た姿とダブります。現在U20ワールド杯に飛び級で日本代表に入って大会を待つ状況にいるのです。この大会は隣国の韓国で20日から6月11日まで開催される大変重要な大会です。日本はグループDで南ア、イタリア、ウルグアイと強豪ぞろいのチームに入りました。ここでの活躍が世界のスカウトの目にどのように映るのか久保建英君のプレーを楽しみにしているのです。

 最後に代表監督が彼を評しています。冷静に自分と相手のプレーを見極める力を持っている。自分が出来ない余計なプレーを回避する力量があるという事です。つまり周りの大人たちが心配する必要のないほど彼はすべてが見通しているのでしょう。大会が楽しみです。