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W杯20歳以下大会始まる (連載第392回)

平成29年5月22日

ツツジ祭り 滋賀県竜王町のダイハツ工場内のツツジ 毎年この時期にフェスティバルが開催される。
ツツジ祭り 滋賀県竜王町のダイハツ工場内のツツジ 毎年この時期にフェスティバルが開催される。

U20ワールドカップ韓国で開幕

 一昨日よりU20のW杯が開幕した。実のところ1977年に第一回大会が開催され、次の1979年の第二回大会は日本で開催されている。当時は世界ユース大会と言っていた記憶がある。優勝はアルゼンチン。マラドーナやラモン・ディアスが活躍した時代であった。その後の1999年ナイジェリア大会で日本は準優勝している。小野伸二、遠藤、稲本などがいた黄金世代であった。日本開催から40年経過して韓国で開催となっているのである。日本は五大会ぶりの9度目の出場と久々のユース世代の大会となった。

 その初陣が昨夜の南ア戦だった。結果は逆転の2-1で見事な勝利だった。ここで言いたいことは、たった一つ、私のイチオシの二段階飛級15歳の久保君が初出場したこと、そして決勝点となる二点目をアシストしたことである。まるで息子に声援を送るような思いでテレビ画面を見入っていた。後半早々、途中交代で出てきた彼は幾分か幼顔が残るが立派な体格に見えた。そしてファーストタッチでいきなり絶妙なスルーパスを送る。これは相手GKに阻まれて得点とはならなかったが、その後ゴール前に攻め込んで時点でのダイレクトパスが決勝点のアシストとなったのである。

 見事なラストパスだった。サッカー関係者ならそのすごさに唸るところだろう。彼の冷静さがその非凡な才能を表現していた。普通あの時点でゴール左からボールを受けたとしよう。多くは自分でシュートに行く。それは角度的にゴールの確率は低くてもシュートを打つことの重要性を重んずるからである。そして大抵はGKに阻まれてしまう。しかし、彼の選択肢は折り返しのラストパスだった。その方が入る確率は高い。蹴り方、スピード、ボールの転がりと言ったすべてが絶妙なラストパスであった。彼はそれを一瞬に判断しやってのけた。これで日本は決勝トーナメントに進出する確率が高くなった。

 次戦は強敵ウルグアイ戦だ。久保君の活躍が世界ニュースで流れることを期待したい。 そのニュースは「史上初15歳でゴール」という見出しである。

欧州組の活躍

 つい先日のプレミアリーグ、レスターの岡崎がワールドクラスのゴールを決めた。左サイドからの速いクロスに飛び込んだ岡崎は左足ボレーでシュート。見事弾丸シュートをゴールに突き刺した。かつての岡崎であればあのクロスをダイレクトに合わせることは出来ない。ここ数年のトレーニングのおかげであろう。走るスピートを技術的に訓練したことだ。それによってバランスのとれた体幹と伸びやかな下半身が出来上がっていた。

 そして今朝またニュースが入った。スペインリーグのエイバル乾がFCバルセロナ相手に二得点した。左から攻め上がった彼にバウンドしたボールがやって来る。それをボレーで蹴り込んだ。ややハーフボレーぎみのシュートだった。二点目も同じようなハーフボレーのシュートをGKは絶対に捕ることの出来ないゴール左上隅に突き刺している。バルセロナの本拠地カンプノウでメッシの目の前でゴールした日本人は彼が初めてである。

 二点取ったことに意味がある。それはまぐれではないという事だ。彼の献身的なサッカーと高い技術が証明されているのである。同じくイタリアリーグで本田圭佑が久々にゴールした。ゴール正面からのFKであった。試合後彼はツイッターでACミランを去ることをつぶやいている。

 最後に2022年のカタール大会、その次の大会は2026年である。隣国サッカー界から4ケ国共催を提案している人がいる。韓国、北朝鮮、日本、中国の4ケ国である。このとんでもない提案が実現できれば東アジアの政治的安定は計り知れない。しかし、その困難度は大会運営ひとつとっても解決できない要素が多すぎると感じている。

 その他アメリカ、カナダ、メキシコの三国開催が名乗りを上げている。これもまた現在のトランプ政権ではハードルが高いと言えそうである。まあ、先の事を考えるのはよそう。何が起こるか分からない世の中である。