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W杯最終予選イラク戦ドロー (連載第393回)

平成29年6月14日

砂の芸術 街頭パフォーマンスのひとつ、しかし見事だ。
砂の芸術 街頭パフォーマンスのひとつ、しかし見事だ。

負けないで良かったイラク戦

 格下と言えどイラクは昔から強豪である。しかもアウエーの中東イランでの決戦。イランも強豪であるが日本とはグループが違っている。国が戦火にまみれていても、サッカーW杯の予選にはチームを作って戦ってくる。シリアもイラクもまた同様で失うものがない相手に勝利するのは難しい。その上、気温37.5度の世界でサッカーなんてできるはずがないのだ。ナイター設備はあるが何時停電するか分からない状況では夕刻キックオフは止む得ないのか?結果は1-1のドロー。私は負けないで良かったと思っている。

 つまり問題は次戦の豪州戦。ホーム埼玉で決めればよい事なのだ。オーストラリアは前回、日本DFの裏に早めにボールを入れる単純な攻撃をしてこなかった。あくまで中盤から繋ぐパスサッカーだった。パスサッカー同士の戦いになれば日本の方に分がある。天敵ケーヒルも年を取ってきた。90分走り回ることは出来ない。彼が出てきても今野、吉田で潰せば良いのだ。

 私は今回のドローを良しとしている。37.5度の気温の下でサッカーは出来ない。サッカーと言うよりも戦闘モードで戦っていた。だから負けるわけには行かなかった。ドローは両チーム、レフリー陣、開催国イランにとって誰も傷つけない結果だったと思っている。

若手よりもベテランが

 久保、原口、井手口、酒井と言った若手が最後まで体力がもたなかった。本田、長友、吉田と言ったベテランの方がなんとか最後まで戦うことが出来た。90分のゲームの中で、自分を知った体力温存が出来たのである。それに比べると若手は最初から飛ばしていた。結果最後の大切な時間帯に機能してなかった。監督は焦っていた。彼が描いていたシナリオは崩壊しているのである。怪我と体力消耗、朦朧とした状況で引き分けたのである。勝ち点1は意義深い。

その他の結果

 もう一つのグルーブで韓国は最下位カタールに負けている。残り韓国もイラン、ウズベキスタンという強豪とのゲームが残っている。決して楽な戦いではない。ピンチと言って良いほどきびしい戦いである。

 なでしこジャパンがヨーロッパで強化試合を行った。先日オランダを1-0で勝利し昨夜ベルギーと対戦して1-1のドローだった。着実に若手が鍛えられてきた。試合ごとに進化が見えている。

 先月のU-20の世界大会、日本はベスト16で姿を消した。15歳の久保君は大柄で体格の良い外国選手に何度も飛ばされていた。それでも監督は未来のために彼を使っている。今回自分が望むパフォーマンスが出来なかったが私たちは東京オリンピックまでひたすら待っていると伝えたい。

 最後にイラク戦後のインタビューで本田が語った言葉が印象深い。「若手は監督の言う事を聞き過ぎだ」確かに言うことは簡単だ。しかし実践することは容易くない。それも37.5度の条件下では・・・・己を知ってくれたアウエーの旅であればなおさら良い。