佛教大のニヤ遺跡学術研究機構(水谷幸正、小島康誉両代表)はこのほど、中国・新彊ウイグル自治区にある古代都市遺跡「ニヤ遺跡」(紀元前1世紀―紀元4世紀)の墓跡で昨年、ミイラとともに見つかった錦(絹織物)に結婚を祝う漢字が刺しゅうしてあった、と発表した。墓は一帯で栄えた「精絶国」の王族のものと見られており、同機構は「西域文化が色濃いとみられていたニヤ遺跡に中国王朝の影響が及んでいたことを示す資料」としている。
ミイラを直接包んでいた錦には「王侯合婚千秋万歳宜子孫」と刺しゅうしてあり、子々孫々までの幸せを願う内容とみられる。ミイラの枕元にあった錦(縦12.5センチ、横18.8センチ)は袋の形をしており「五星出東方利中国」という占星学の用語が書かれていた。同機構は「水・金・火・木・土の五星が東方に現れる現象は、中国にとってめでたい」という意味、としている。 遺跡ではこれまで、古代インドの文字の木簡など、西域の影響を示す遺物が多く見つかっているが、中国文化につながる資料は少なかった。 また、合葬されていた2体のミイラは調査の結果、男性は欧州系、女性はモンゴル系と分かった。 研究機構の調査は1988年から日中合同で行われ、日本側は佛教大や龍谷大、早稲田大などの研究者ら17人が参加している。 ニヤ遺跡 タクラマカン砂漠最大のオアシス都市国家遺跡。中国の漢書などに「精絶国」として登場する。紀元前から栄え、4世紀ごろに突然、消滅したとされる。英国の探検家・スタインが1901年から発掘調査。日本の大谷探検隊や戦後、一時、中国政府も調査したが、長く放置されたままになっていた。 |