Kyoto Shimbun Topics 1996.12.13

今年を表す漢字は「食」
"食"中毒猛威、福祉や税金"食"いものに…


今年を表す漢字「食」を墨書する森清範貫主
(京都市東山区・清水寺の奥の院)
 財団法人・日本漢字能力検定協会(本部・京都市)は12日、今年1年を1字で表す漢字に「食」を選んだ。O157問題で食べることに関心が集まり、税金や福祉が食いものにされた世相も反映し、全国からの応募で首位となった。

 「今年の漢字」は、漢字の奥深さを知ってもらう一環として、昨年から募集を始めた。昨年は阪神・淡路大震災を受けて、「震」が選ばれている。

 今年は約1万2,300人から応募があり、千人余りが寄せた「食」になった。2位は約100票差で0157禍から「菌」だった。

 「食」を選んだ理由として応募者は「食中毒や食糧危機で『食』を見直す年だった」「カラ出張や官・官接待の食糧費で税金を食べた公務員」「福祉を食いものにした厚生官僚は許せない」を挙げていた。

 発表式は、京都市東山区の清水寺で行われ、森清範貫主が特大の和紙に「食」と墨書した。3位以下も続発した汚職事件の「汚」や、「怒」「官」「乱」「毒」「腐」「疑」が続き、「来年こそ明るい字で語れる世の中に」の願いを込めて書が奉納された。

 読経を終えた森貫主は「『命は食の中にある』という言葉がある。命に支えられ、生かされている人間の姿、食の意味をいま一度、自問してみることが必要だろう」と語った。


前 TOP 目次 次