Kyoto Shimbun Topics 1996.12.27

船形埴輪は大型モデル 栗東町で出土復元
古墳時代の工法示す



栗東町の新開4号墳から出土、ほぼ完全な形に
復元された船形埴輪(栗東歴史民俗博物館)
 滋賀県栗太郡栗東町の新開4号墳(同町安養寺)から今夏、古墳時代中期(5世紀半ば)の船形埴輪(はにわ)の破片が多数出土、栗東歴史民俗博物館がこれを復元し、26日発表した。長さ約20メートルの大型船をモデルにしてつくったと推測され、同館では「水運と古代船の変遷や歴史を知る上で画期的な資料」と話している。

 新開4号墳は、同時期の安養寺古墳群の中にある方墳(推定で一辺約15メートル)。名神高速道の拡幅工事に伴う調査で、今年7月、船形埴輪片が家形埴輪とともに出土した。

 復元された船形埴輪は、全長114センチ、最大幅27センチ、船首の高さ23センチ。オールを取り付ける突起部分が船の片側に7カ所と多いことから、オールを取りつける突起の数から、埴輪のモデルは、少なくとも14人のこぎ手が乗れる大型船と見られる。

 これまで出土した他の船形埴輪は船底と本体が2つに分かれた構造になっている。これに対して、今回復元されたものは、船底と船首の部分が一体となっているほか、船内は、積み荷が動かないための工夫と思われる仕切り板が縦中央に走っていた。いずれも初めての形で、造船工法の進展を示すものと注目される。

 船形埴輪は、これまで全国で約20例が出土しているが、内陸で出土するケースは極めて珍しく、滋賀県では初めて。同館の松村浩学芸員は「すでにこの時代、琵琶湖では大型船を使った湖上交通が盛んだったと考えられる。大陸から来た鉄や技術者などを運んだのではないか。古墳の主は、湖上交通や海外交易にかかわる人物の可能性が高い」と話している。

 復元埴輪は、来月5日から同博物館で公開される。   


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