Kyoto Shimbun Topics 1996.12.27

黒生姜湯150年ぶり復活 山科の折上神社
息災願い天皇に献上 3が日ふるまう


 約150年ぶりに復活した黒焼生姜湯
 を手にする稲川さん
 江戸時代末期に折上神社(京都市山科区西野山)が朝廷に献上していたという黒焼生姜湯(くろやきしょうがゆ)が、約150年ぶりに復活する。同神社の祢宜(ねぎ)が古文書を参考に3年がかりで試作を重ね、このほど生姜湯の粉末を完成させた。正月3が日の初もうで客に、無病息災を祈って境内で飲んでもらうことにしている。

 同神社の祭神は、6世紀ごろ周辺に勢力を誇っていたという中臣氏の首長で、創建も8世紀初めと伝えられている。

 黒焼生姜湯は、江戸時代末に孝明天皇が即位した際、仕えていた人々が次々と病気になったことから、天皇が同神社に献上を命じたという。神社では以後毎年、献上していたが、次の明治天皇の代に都が東京に移ってからは、その風習もなくなったとされる。

 祢宜の稲川昌実さん(34)は神社に伝わる古文書を参考に、3年前からしょうが、片栗粉、小豆などを調合して、味見をしながら研究を重ねた。出来上がった粉末は、湯に溶かすと、しょうがの香りがただよい、味は甘く、舌触りがとろっとしている。

 神社では「生姜湯が縁になって、もっと神社に親しんでもらえたら」と期待している。


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