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近江最古級の寺院とされる滋賀県大津市の衣川廃寺跡(衣川2丁目)の史跡整備に伴う発掘調査を行ってきた大津市教委はこのほど、最終的な調査結果を発表した。昭和50(1975)年の調査で出土した推定金堂跡、塔跡、瓦窯跡以外の遺構は確認できなかったが、新たに5種類の軒丸瓦が出土し、建立技術の多様さが証明された。 発掘現場は、湖西線敷設工事に伴い、県教委が昭和50年に実施した発掘調査の結果、金堂、塔跡と推定される基壇や瓦窯などが確認され、出土した軒丸瓦の年代などから、7世紀前半に建立された寺院跡として昭和52年に国の史跡に指定された。 指定を受け、同市は指定区域(2,832平方メートル)を史跡公園として整備する計画をたて、平成6年度から整備に伴う再調査を継続的に実施してきた。 今回の調査は、先の調査地点の周辺を中心に範囲を拡大して実施したが、金堂、塔以外の遺構は確認できなかった。金堂の基壇上は後世に削られ、礎石はすべて失われていたが、礎石の根石とみられる石材が5カ所から認められた。塔跡は断ち割り調査を行ったが心礎は確認できなかった。 瓦窯跡の西南からは、窯から掻き出した瓦層と、廃棄された瓦層が交互に堆積した状態でみつかり、この灰原を中心に、新たな文様をもつ5種類の軒丸瓦がみつかり、先の調査で出土した8種類を含め13種類もの軒丸瓦が使われていたことがわかった。 調査にあたった市教委の福田淳調査員は「金堂、塔跡だけという、定型化していない伽藍配置は、古代の仏教、寺院建立の文化がいかに地方に波及していったかを考えるうえで貴重な資料。また、多くの種類の瓦が出土したことは、寺院建立に当たって用いられた技術の高さと多様性を物語っている」と説明している。 同市は、今回で同史跡の調査を終了し、総事業費2億1,900万円で史跡の保存整備(公園化)を進め、平成11年度の完成を目指す。 |