Kyoto Shimbun Topics 1996.12.6

京都御苑 名水・県井が"復活"
残念ながら「飲まないで」
ポンプでくみ上げ 24時間わき水


復活した新しい「県井」。奥の方に見え
るのが古い県井(上京区・京都御苑)
 長く枯れたままになっていた京都の名水のひとつ、京都御苑(京都市上京区)内の「県井(あがたのい)」が、このほど環境庁京都御苑管理事務所によって、新しい装いで復活した。新しい県井は、地下水をポンプでくみ上げており、同事務所は「御苑の古くて新しい憩いの場所になれば」と話している。

 県井は中立売御門北側の旧一条家の屋敷跡にある。上京区・梨木神社の染井などと並んで京都の名水として知られる。後鳥羽上皇や藤原俊成の和歌にも名前が登場し、「大和物語」では病気を治す不思議な水として紹介されている。

 同事務所では、昨年度から近くの公衆トイレの水洗用に地下水を使うことを決め、古い県井から約10メートル南の位置に深さ80メートルの新しい井戸を掘った。その際、地下水の一部を、ポンプでくみ上げ、新しい県井として利用することにした。

 新しい県井は、近くにある古い県井との調和を意識し、高さ約1メートルの黒い御影石だけの落ちついたデザインにした。石の中にあけた4つの穴から名水が24時間、ゆっくりわき出している。

 災害時の非常飲料水として使えるように、水は浄化・消毒済みだが、近くには「井戸水ですので飲まないように」との看板が立てられている。同事務所は「水質は十分だがO157対策で保健所から指導されている。雰囲気だけでも名水を味わってもらえれば」と話している。


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