Kyoto Shimbun 1997.1.25

グラフ特集

漂着重油 回収阻む荒海
     つのる疲労感

「漁場はワシらが守る」。漂着する
前に、漁師らは沖合で油を迎え撃つ
(15日、伊根町鷲岬沖)
岩場に漂着した油の回収は困難を極める。岩をどけて、
隙間に手を突っ込んで取っていくしかない(16日、
丹後町袖志の海岸)
作業はもっぱら人海戦術で、ボランティアも大き
な力。回収した土のうの搬出作業をする海上保安
学校生(18日、網野町三津)


 丹後半島 住民ら必死の作業
 「戦い」果てしなく


 島根県沖で沈没したロシア船籍のタンカーから流出した重油が、丹後半島に大量漂着して3度目の週末を迎えた。「黒い漂流」は容赦なく沿岸部に打ち寄せ、その度に海上で、陸上で、漁師や住民らによる懸命の回収作業が繰り返されている。「うらにし」の天候のため、作業が思うように進まない日もあり、丹後の沿岸住民の疲労も限りなく蓄積している。

砂浜に打ち上げられた油塊。「美し
い浜に戻れ」と住民らの作業は続く
(16日、丹後町の久僧海水浴場)
粘性を増した油は、ひしゃくでは
すくえず、網が活躍する。現場では、
工夫をこらした道具が登場
(17日、舞鶴市の野原漁協)
 「油塊は、今どこにいるんだ」。役場などに置かれた対策本部で、目を充血させながら海図をにらむ職員。漁場では漁師が「魚を捕るあてもなく、網をあげるのが一番つらい」と、定置網を回収する。浜辺には、打ち上げられた羽ばたかぬ多数の海鳥が―。

 「丹後の青い海を守ろう」。週末を中心に、多くのボランティアが京阪神から駆けつけた。地元の人と力を合わせ、手作業で油塊を取り除く。 必死の努力で、浜は元の姿を取り戻しつつあった。が、再び大量の漂着。「また一からやり直し」。住民は油を運んでくる日本海の荒海の前で立ちつくす。

 油と、そして作業を阻む悪天候とのいつ終わるともしれない戦いは、続く。


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