Kyoto Shimbun 1997.1.13

回収重油の保管に苦悩 丹後半島の各自治体
勝手に廃棄できず 輸入品の関税法で仮置き場確保へ


回収した重油を一時保管するために町が掘った
集積場所に集められた重油入りの土のうの山
(12日午前10時、網野町・八丁浜)
 タンカーから流れ出た重油が漂着した京都府の丹後半島の各自治体が、海岸や漁場で回収した重油の保管に頭を抱えている。使い道のない廃棄物とはいえ、輸入途中の積み荷という性格から関税法の規定を受けるなど、自治体は勝手に重油を廃棄できない。日曜日となった12日、回収量も増えた。竹野郡網野町は重油を一時的に保管する専用場所の確保に乗り出した。

 「鳴き砂」で知られる琴引浜などに重油が漂着した網野町で回収した重油は、12日午後6時現在、計約220トンにのぼる。福井県の三国海岸のように液状ではなく、比較的扱いやすい塊が多いが、油に砂や海水、ごみが混じっている。町清掃センター内にビニールシートを敷き、土のう袋に入れて105トンを山積みしている。

 漁港や漁場で回収した油は、各漁協がドラム缶に入れて保管している。網野町漁協の山本厚組合長(67)は「魚を扱う漁港に長く置いておけない。早く持って行ってほしい」と迷惑顔だ。

 府によると、府内の重油回収量は12日現在、ドラム缶で約3,300缶相当という。熊野郡久美浜町旭では、道がないために兵庫県境に近い岩場の油塊をやむなく岩影で保管している。

 油の処分は、船主がタンカーにかけた保険による賠償と絡む。油の集積場所からの移動や最終処分は船主が指定する専門処理業者が行い、関税法が定める手続きを経なければならない。府内の場合、一業者が各町の集めた重油を回収し、設備のある施設で焼却する。本格的に回収を始めるのは今週半ばになる。

 自治体は、処分業者が回収に来るまで、一時的に保管する場所の確保が必要となる。網野町は、12日までに新たに八丁浜の公園建設予定地に縦9メートル、横7メートルの穴3カ所を掘り、残りの115トンや今後の回収重油の集積場所に充てている。

 網野町の田宮宏保総務課長は「袋の結び目や破れた場所から重油が漏れる二次災害の恐れもある。一刻も早く専門業者に引き渡したい」と話している。


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