Kyoto Shimbun 1997.1.13

沈没船付近で油確認
なお流出の可能性 高浜原発取水口フェンスに到達



高浜原発の取水口付近のオイルフェンスに漂着した重油を
除去する原発関係者ら(12日午後4時20分、福井県高浜町)
 ロシア船籍のタンカー「ナホトカ」からの重油流出事故で、京都府・丹後半島の海岸は、12日も懸命に漂着油の回収作業が続いた。若狭湾に入った油塊群は一部が福井県高浜町の高浜原子力発電所・取水口のオイルフェンスに漂着、「原発銀座」の若狭湾に点在する他の原発にも漂着の恐れが高まっている。また、島根県・隠岐島北東の日本海で新たに発見された帯状の油は、第八管区海上保安本部(舞鶴市)の調べで、船体が断裂、沈没したナホトカ船尾から漏れ出している可能性が強く、沿岸ではさらに大規模な重油被害への緊張が高まっている。

 八管本部の調査では、重油漂着は京都府与謝郡伊根町から兵庫・鳥取県境にかけての海岸全域に広がった。丹後半島周囲の沿岸や山陰沿岸と沖合、それに舞鶴市沖の若狭湾内などには、依然、大小の油塊群が漂流、新たに舞鶴市田井や成生、福井県・高浜町の海岸にも迫り、関西電力高浜原子力発電所の取水口を守るオイルフェンスに油塊が漂着した。

 「ナホトカ」沈没地点の東海域で発見された重油の確認のため、12日午後には巡視船が現場に到着した。沈没推定地点から東へ38キロの海面に、断続的に海底からわき出てくる油を、搭載ヘリで確認。その地点から西へ幅200メートル、長さ18キロの帯状に漂っているのがわかった。

 八管本部は、1万2千キロ以上の重油を積んだまま、深さ1,500―1,700メートルの海底に沈んだ「ナホトカ」の船内から、重油が漏れ出している可能性が高いと判断。巡視船4隻で回収作業をする一方、サンプルを持ち帰り、海上保安試験研究センター(東京都立川市)に送り、分析する。

 また、福井県・三国町の海岸近くに座礁した船首の船体調査のため、海上保安庁などのダイバーが12日も潜水した。座礁後、船体からの流出が続いていると見られるものの、直接は確認できなかった。

 一方、12日午後、島根県・隠岐島にもボール状の油が漂着。これで漂着したのは島根県から石川県までの1府5県に広がった。


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