Kyoto Shimbun 1997.1.14

募る疲労 吹き払い 土のう手渡しで
丹後各町 回収の油塊 処理業者に


岩場から回収した重油塊の土のうを船で運び出す漁協組合員ら
(14日午前8時20分、京都府与謝郡伊根町蒲入)


 ロシアのタンカーからの流出重油が漂着した京都府・丹後半島の沿岸各町では14日朝、これまでに回収した油塊入りの土のうを浜辺から道路近くの集積場に移し、処理業者に引き渡す作業が始まった。今後も、新たな油が押し寄せる恐れがあり、漁協組合員や住民らは「まだまだ気を抜けない」と、募る疲労を吹き払うように作業を進めた。

 与謝郡伊根町のヤベタ海岸では、この日午前8時から、蒲入漁協の組合員ら約30人が、土のうの運搬にあたった。同海岸は岩場で、陸上から車両が近づけないため、海からの作業。磯船、定置漁船計4隻が出動し、磯と船間にロープを渡してくくりつけた土のうをたぐったり、磯船に積むなどして、土のうを定置漁船へ。蒲入漁港の集積場に運び、ドラム缶に積め替えたうえで、処理業者に引き渡した。

 同海岸には今月12日に、油が漂着。一時は約100メートルにわたって茶色の油層に覆われた。連日の除去作業で、土のう約600袋分の油塊を回収、同海岸に積んでいた。組合員の一人は「沈んだタンカーから、まだ重油が流出していると聞いている。新たな油が漂着を警戒しなければ」と気を引き締めていた。

 熊野郡久美浜町や竹野郡網野町などの砂浜では、表面の油塊の回収はほぼ一段落した。今回の重油が固まりやすい性質を持っていたことから、陸上では人海戦術による手作業で、比較的順調に回収が進んだ。

 丹後町袖志でも、前日に引き続き、府警機動隊員や森林組合員ら約150人が、海岸に山積みされた油塊入りの土のうを人力で国道そばの空き地まで運び上げた。今後、ドラム缶に移し替えて、業者による回収に備える。

 一方、丹後町間人では、間人漁港周辺の岸壁で、漁協組合員らがひしゃくなどで漂流油の回収作業にあたった。また、網野町三津付近の岩場でも、島津漁協の組合員らが懸命に油塊の除去作業を続けた。


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