Kyoto Shimbun 1997.1.22

油回収船 荒波に苦戦 国内最大能力「清龍丸」
3日間作業できず


荒天のために十分に発揮できない清龍丸
(9日、丹後半島・経ヶ岬沖)
 ロシアのタンカーから流れ出た重油を一気に回収する期待を担い、現場に駆けつけた国内最大能力の油回収船「清龍丸」a運輸省第五港湾建設局(名古屋)所属aが、真冬の日本海の荒波に苦戦している。能力を十分に発揮できないまま、21日午後もしけのため石川県・七尾港に退避した。

 清龍丸(3,526トン)は、ポンプで吸い取った油まじりの海水を、遠心分離で油と海水に分ける渦流式と、水面の油をすくい取る固定傾斜板式の2種類の回収器を、それぞれ2台ずつ備えている。それらを船首の脇にワイヤーで吊(つ)るし、油を回収する。

 4日夕、名古屋港を出港。荒天のため途中、鳥取県境港に退避しながら、9日早朝、京都府・経ケ岬沖へ。若狭湾などで約480キロリットルを回収した。しかし、10日から21日までは合計約450キロリットルを回収しただけ。タンカーの重油積載量と比べると、わずかの回収にとどまっている。

 波が2メートルを超すと回収器を海面に下ろせないため、3日間は全く作業できなかった。特に今回は油の層が厚く、渦流型回収器しか使えない。作業を指揮する第一港湾建設局敦賀港工事事務所は「波が高いうえ、油の位置をヘリで確認後、回収に向かうので一層手間がかかる」と話している。


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